仕事で疲れた日々を潤いを齎してくれる”お酒”。一説によると、最も古いお酒である「蜂蜜酒(ミード)」が誕生したのは1万4千年前とも言われています。それから長い時が経ち、現在は世界各国で色々なお酒が造られるようになり、「お酒が国の文化を表す」と言われるようにもなりました。
しかし、そんなお酒について「お酒は何種類存在するのか?」ということを知る人は意外と少ないのではないでしょうか? 今回は製法と原料の違いからお酒の種類を説明していきます!
お酒は製法によって分類される
お酒は製法によって大きく3種類に分かれます。最も一般的で原料をそのまま発行させた「醸造酒」と、醸造酒を蒸留して度数を高めた「蒸留酒」と、出来上がったお酒に果物や香料を混ぜて飲みやすくした「混成酒」の3つです。
日本で親しまれているビールや日本酒は醸造酒で、度数の高い焼酎やウイスキーなどは蒸留酒に入ります。そして、果物を加えたリキュールや梅酒などのお酒は混成酒と呼ばれています。
お酒の知識を持っていないと醸造酒や蒸留酒などの見極めは難しいと思いますが、簡単に言うと以下の通りです。
蒸留酒:原料をそのまま発行させただけのお酒。ビールや日本酒、ワインなどが該当する
醸造酒:醸造酒を蒸留してアルコール度数を高めたお酒。ウイスキー、ウォッカ、焼酎などがある
混成酒:お酒に果物や香料を混ぜて飲みやすくしたお酒。リキュール、梅酒などが代表的
混成酒は果物や香料を使っているので分かりやすいと思います。ただ、醸造酒と蒸留酒の違いは普段からお酒を飲まない方には難しいでしょう。
ざっくりと言うと、アルコール度数が低いお酒が醸造酒で、アルコール度数が高いお酒が蒸留酒です。蒸留酒は繰り返し蒸留を行っているので、40度程度の高いアルコール度数のお酒が大半です。
見極めに困ったらアルコール度数を見ると分かりやすいかもしれません。
だいたい醸造酒は度数が20%までのお酒が多いです(;・∀・)
対して蒸留酒は度数が高く、混成酒は低い場合が殆どですね!
醸造酒の特徴と種類
醸造酒とは、原料を酵母で発酵させて作られたお酒のことを指します。蒸留などの作業は行わずに飲まれるものが蒸留酒に分類され、一般的に蒸留酒と比べてアルコール度数が低いお酒が多数です。
有名なものだとビール、日本酒、ワインなどが蒸留酒に含まれます。珍しいお酒だとシードル(リンゴ酒)、馬乳酒などがありますね。
一般的にアルコール度数が20%程度までのお酒が多く、日本の中でもメジャーなお酒の種類です。欧米人に比べるとアルコールにあまり強くない日本人でも飲みやすいので、醸造酒は日本人でも飲みやすいお酒として有名です。
ビール
日本語では「麦酒(ばくしゅ)」と呼ばれ、その名の通り大麦を原料として作られるお酒です。
ビールは主に「エール」と「ラガー」の2種類の分類されます。現在の日本で主流とされているのは「ラガー」で、日本の居酒屋で見かけるビールは殆どがラガーです。
アルコール度数は5%程度のビールが多く、舌を刺激する苦みと心地よい喉越しで世界各国で親しまれています。
日本酒
米、麹(こうじ)、水の3種類を原料として作られるお酒のことを指します。名前に”日本”とついている通り日本で生産されているお酒の1つで、8世紀初めの奈良時代には既に醸造体制が確立されていたと伝えられています。
日本酒を製造している会社は99%以上が中小企業であり、地域で作られているお酒を「地酒」と呼ぶように、日本酒造りは地域産業を支える役割を担っていると言えるでしょう。
多くの日本酒はアルコール度数が15%程度です。日本のお酒のだけあって取り扱っているお店も多く、人生で一度は飲んだことがある人も少なくはありません。
ワイン
ワインの原料はブドウ、というのはお酒を飲まない方でもよく知られています。良いワインには良いブドウを使うことが不可欠のため、ワイン生産者の中にはブドウ畑を所有しているオーナーも少なくありません。
主なワインの種類は「赤ワイン」「白ワイン」「ロゼワイン」の3種類があり、製法によって分類されています。一般的にブドウを皮ごと使ったワインが赤ワインとなり、果実のみを使用したものが白ワインとなります。その他のさまざまな製法によって作られるワインはロゼワインと呼ばれます。
アルコール度数は10%~15%程度のワインが多数です。日本酒が15%程度のものが多いので、ワインは日本酒よりも若干アルコール度数が低いこととなります。
蒸留酒の特徴と種類
出来上がった醸造酒を蒸留して作られたお酒が蒸留酒です。アルコールの元であるエタノールは水よりも沸点が低いので、蒸留酒を沸騰させた場合水分よりアルコールの方が先に飛びます。
その気化したアルコールを冷やして液体状にすると、沸騰する前よりもアルコール度数の高いお酒が出来上がります。この蒸留によって作られたお酒を蒸留酒と呼ぶわけですね。
蒸留酒としては、主に焼酎、ウイスキー、ウオッカが代表的ですね。蒸留の過程でアルコール度数が高められていることもあり、平均的なアルコール度数は40%程度あります。
他にも、ブランデー、ジン、ラム酒、テキーラ、泡盛なども存在します。日本人にはアルコール度数が高すぎるお酒も多いので、カクテルや水割りなどで飲まれるケースが多いようです。
焼酎
焼酎は甲類と乙類という2種類に分類され、それぞれ原材料や製法が全く違うのが特徴です。甲類は廃糖蜜(サトウキビから不純物を取り除いたもの)や酒粕を原料として作られます。また、乙類は米や小麦を原料として作られる焼酎が多く存在します。
日本では、焼酎の製造は16世紀から開始されました。意外と歴史の浅いお酒の1つでもあり、現在でも日々焼酎の改良がおこなわれています。
アルコール度数は25%前後の焼酎が多いです。酒税法により甲類は36%以内、乙類は45%以内と決められています。
ちなみに2010年までは焼酎の「酎」という字が常用漢字に含まれていなかったため、それまでの政府文書には「しょうちゅう」「しょうちゆう」と記載されていました。
ウイスキー
大麦、ライ麦、トウモロコシなどを原料として作られるお酒がウイスキーです。麦やトウモロコシを醸造して作られたお酒を蒸留し、アルコール度数を高めたお酒がウイスキーと呼ばれています。
ウイスキーの誕生は14世紀~15世紀と言われており、ウイスキーに限らず蒸留酒の起源はそれほど前ではありません。一説によると13世紀のイタリアによって蒸留の技術が発見されたとされており、蒸留酒の歴史はその付近から始まったと考えられています。
度数は40%程度のウイスキーが多いです。ビールや日本酒などの醸造酒と比べると度数は数倍にも及び、アルコールの分解機能が低い日本人には不向きのお酒かもしれません。
ウォッカ
原材料はさまざまで、大麦、小麦、ライ麦、ジャガイモなどを原料として、蒸留後にろ過をして作るお酒をウォッカと呼びます。ウォッカが透明な商品ばかりなのは、ろ過作業によって色が落ちているためです。
ウォッカと聞けば「ロシア人」とイメージするように、14世紀のロシアが発祥とされています。18世紀にはウォッカの種類も増えて生産技術も高まったことにより、頻繁に国外へと輸出されるようになりました。
蒸留酒なだけあってアルコール度数も高く、ウォッカの平均度数は40%程度です。日ごろからお酒を嗜む人以外には厳しい数値かもしれませんね。
混成酒の特徴と種類
醸造酒や蒸留酒を飲みやすくするために果物、ハーブ、香料、甘味料などを加えたものを混成酒と呼びます。お酒特有の匂いや苦みを中和してくれるので、お酒が苦手な方にも人気の種類です。
混成酒の種類としてはリキュール、梅酒などが有名です。他にも白ワインにハーブやスパイスを配合して作られるベルモッドや、漢方薬を溶かし込んだ薬酒などがあります。
梅酒は昔から日本でも人気のお酒の1つですが、最近はリキュールを扱っているお店も増えてきています。スーパーやコンビニでもリキュールを取り扱っているお店も多く、若い世代を中心にポピュラーなお酒となってきているようです。
日本で人気なお酒はなに?
お酒は主に「醸造酒」「蒸留酒」「混成酒」の3種類に分かれ、さらにその中でも産地や原材料、製法などによってお酒の種類は変わってきます。ビールやウイスキーなど有名なもの以外も含めると、数十種類以上は存在することでしょう。
では、日本で人気なお酒はどんな種類があるのでしょうか? どんなお酒が日本で人気なのか気になりますよね!
結論から言うと、日本で最も人気のお酒はビールです。特に30代~50代のサラリーマンに人気なお酒で、「とりあえず生」という言葉も生まれるくらい日本ではポピュラーなお酒です。
日本のビールメーカーは「アサヒ」「キリン」「サントリー」「サッポロ」の4つのメーカーが存在しますが、特にアサヒビールとキリンビールのシェアが高く、2つ合わせて7割近いシェアを占めています。
また、最近はチューハイが若者に人気ということもあり、チューハイの原料である焼酎やウォッカの人気も上昇しています。チューハイは果汁と合わせた商品も多く、ジュース感覚で飲めることが人気の理由なのです。
アルコール度数も3%~5%程度と低いため、二日酔いをしなくなる所も魅力ですね!
お酒のことを知れば、一層美味しく飲めます
お酒は製法の違いから「醸造酒」「蒸留酒」「混成酒」の3種類に分類されます。
蒸留酒:原料をそのまま発行させただけのお酒。ビールや日本酒、ワインなどが該当する
醸造酒:醸造酒を蒸留してアルコール度数を高めたお酒。ウイスキー、ウォッカ、焼酎などがある
混成酒:お酒に果物や香料を混ぜて飲みやすくしたお酒。リキュール、梅酒などが代表的
お酒の原料や歴史などはそれぞれによって違い、すべてを記憶するのは長い時間が掛かるでしょう。
しかし、お酒の知識を知ればより美味しくお酒を楽しむことが出来ます。例えば産地を知っていれば原産国ごとに味わいの違いを感じられるようになり、何よりも知人・友人とお酒のことを語り合うことが出来るようになります。
お酒を嗜むのであれば、お酒についての知識は勉強しても損ではありません。
これを機に、ぜひ勉強してみてはいかがでしょうか?