こんにちは、バニラアイスです。
今回は外務員試験の5択問題対策【株式業務編②】ですね。
この記事では①株価純資産倍率(PBR)株価収益率(PER) ②株価キャッシュフロー倍率 ③EV/EBITDA倍率 ④株式売買の約定代金の4点を解説していきます。
ここでは計算問題が中心となり、数字が苦手な人にはつらいものがあると思います。
そんな人にもわかりやすく、かつ時間のかからない勉強方法をお教えします。
株価純資産倍率(PBR)株価収益率(PER)
問題①
次の会社における株価純資産倍率(PBR)と株価収益率(PER)の組み合わせとして正しいものを選びなさい。なお、答えは小数点第2位以下を切り捨てること。
******************
発行済株式総数 200万株
総資産 20億円
総負債 10億円
株価(時価) 800円
当期純利益 2億2000万円
******************
1 PBR 1.6倍 PER 5.6倍
2 PBR 1.6倍 PER 6.4倍
3 PBR 1.6倍 PER 7.2倍
4 PBR 2.4倍 PER 8.0倍
5 PBR 2.4倍 PER 8.8倍
解説
正解:3
**株価純資産倍率**
株価純資産倍率=株価÷1株当たりの純資産
①1株当たりの純資産=純資産÷発行済株式総数
(20億円-10億円)÷200万株=500円
②株価純資産倍率=株価÷1株当たりの純資産
800円÷500円=1.6
**株価収益率**
株価収益率=株価÷1株当たりの当期純利益
①1株当たりの純利益=当期純利益÷発行済株式総数
2億2000万円÷200万株=110円
②株価収益率=株価÷1株当たりの当期純利益
800円÷110円≒7.2
PBRとPERは公式さえ覚えれば簡単に解けますが、その覚え方で苦労されている方は多いと思います。
覚えるまでノートに書いて暗記、なんて記憶方法でも構いませんが、もっと簡単に覚える方法はあります。
株価純資産倍率=株価÷1株当たりの純資産
株価収益率=株価÷1株当たりの当期純利益
両者の違いは赤字の部分だけです。株価が分子に入るのは変わらないので、そこだけ覚えていれば大丈夫です。
株価純資産倍率だから分母に純資産が入る。株価収益率だから分母に純利益が入る。なんて覚えれば公式なんて記憶せずに問題が解けますよ。
なお、この試験では上記の練習問題のように「株価純資産倍率(PBR)を求めよ」と日本語と英語の略の両方書かれているので、「PBRって日本語でなんだっけ?」となる心配はありません。
株価キャッシュフロー倍率
問題③
次の会社の当期における株価キャッシュ・フロー倍率(PCFR)として正しいものの番号を選びなさい。
なお、簡便的にキャッシュ・フローは当期純利益に減価償却費を加えたものとして計算しなさい。また、答えは小数点第2位以下を切り捨てること
資本金 200億円
発行済株式総数 1億株
税引後当期純利益 20億円
減価償却費 2億円
株価 500円
1 10.2倍
2 14.6倍
3 18.4倍
4 22.7倍
5 26.3倍
解説
正解:4
**株価キャッシュフロー倍率**
株価キャッシュフロー倍率=株価÷1株当たりのキャッシュ・フロー
①キャッシュ・フロー=減価償却費+当期純利益
2億円+20億円=22億円
②1株当たりのキャッシュ・フロー=キャッシュ・フロー÷発行済株式総数
22億円÷1億株=22円
②株価キャッシュフロー倍率=株価÷1株当たりのキャッシュ・フロー
500円÷22円=22.7倍
この問題では、問題文でキャッシュ・フローの計算式が与えられている場合が殆どなので、覚える必要はありません。
まずキャッシュ・フローを出して、次に1株当たりのキャッシュフローを計算し、最後に株価キャッシュフロー倍率を算出するという流れさえ分かっていれば解ける問題です。
ちなみに公式についてですが、先ほどの株価収益率や株価純資産倍率も含めて、「株価〇〇率」や「株価〇〇倍率」という計算では分子に株価が入ると覚えていてもいいでしょう。
EV/EBITDA倍率
問題③
資本金400億円、時価総額800億円、利益剰余金500億円、保有現金預金(短期有価証券含む)70億円、有利子負債420億円、EBITDA200億円の場合のEV/EBITDA倍率として正しい選択肢を選びなさい。
1 4.20倍
2 5.75倍
3 6.40倍
4 7.40倍
5 8.65倍
解説
正解:2
**EV/EBITDA倍率**
①EV=時価総額+有利子負債-現金預金-短期有価証券
800億円+420億円-70億円=1150億円
②EV/EBITDA倍率=EV÷EBITDA
1150億円÷200億円=5.75倍
EV/EBITDA倍率の問題では、基本的にEBITDAの値が問題文で与えられていてEVを自分で計算しろというタイプが殆どです。
なのでEBITDAの公式を覚える必要はさほどありません。その分EVの公式を覚える時間に使いましょう。
株式売買の約定代金
問題④
ある投資家が取引所取引で現物取引により、A社株式5000株を成行注文で売り委託したところ、同一日で864円で2000株、865円で3000株の約定が成立した。この場合の受け渡し金額として正しいものを選びなさい。
なお、株式委託手数料は下記の表で計算しなさい。また、株式の譲渡に係る所得税については一切考慮せず、答えについては小数点以下を切り捨てること。
株式委託手数料額計算表 | |
約定代金 | 委託手数料 |
100万円超 500万円以下の場合 500万円超 1000万円以下の場合 |
約定代金×0.900%+2,500円 約定代金×0.700%+12,500円 |
・上記による算出額に8%の消費税を加えること。 |
1 3,648,560円
2 3,826,940円
3 4,064,840円
4 4,278,280円
5 5,428,360円
解説
正解:4
**受け渡し金額**
受け渡し金額=約定代金-委託手数料-消費税
①約定代金
(864円×2000株)+(865円×3000株)=4,323,000円
②委託手数料
(4,323,000円×0.900%)+2,500円=38,907円+2,500円=41,407円
③消費税
41,407円×0.08=3,312.56円
④受け渡し金額
4,323,000円-41,407円-3,312.56円=4,278,280円
注意するのは、あくまで手数料は委託手数料にかかるものである、ということです。
売り委託というサービスに対しての消費税という考え方なので、約定代金には掛かりません。
約定代金に対して委託手数料をかけてしまうと、上記の場合でも345,840円も一回の取引で支払わなければいけませんから、投資家にとって証券会社を利用するメリットがなくなってしまいますね。
まとめ
今回もお疲れさまです。
今日の範囲は計算問題が中心で、公式の覚え方に頭を悩ます人が多い気がします。
ただ私のように公式を一切覚えずに合格する人もいるように、必ず覚えておかなければならないというわけではありません。
記憶力に自信があるなら全て暗記するのも一手ですが、時間がない方は「株式純資産倍率だから株式÷純資産だな」と連想できるようにするのが合格率を高める方法です。
次回は利回りなど複雑な計算が要求される問題が登場する【債券業務】の5択問題について解説を行っていくので、そちらもお読みいただければ幸いです。
*****次回*****