こんにちは、バニラアイスです。
今日は前回の続きで、外務員試験の5択問題対策の【財務諸表と企業分析②】編です。
また前回の【財務諸表と企業分析①】をご覧になっていない方は、そちらからご覧いただいた方が理解が深まると思います!
見出し
安全性分析
問題④ 流動比率、負債比率等の計算
ある会社の貸借対照表上の数字は以下の通りである場合、安全性分析を計算している次の1~5の選択肢のうち正しいものの選択肢を選びなさい。
なお、単位は百万円であり、計算に際しては小数点第2位以下を切り捨てること。
資産の部 | 負債の部 | ||
流動資産 | 18,000 | 流動負債 | 9,000 |
固定資産 | 14,000 | 固定負債 | 8,000 |
純資産の部 | |||
自己資本 | 15,000 | ||
合計資産 | 32,000 | 合計負債・資本 | 32,000 |
1 流動比率は50%
2 固定比率は53.3%
3 固定長期適合率は34.7%
4 負債比率は113.3%
5 自己資本比率は53.1%
解説
正解:4
流動比率:200%
固定比率:93.3%
固定長期適合率:60.8%
負債比率:113.3%
自己資本比率:46.8%
*****公式*****
流動比率=(流動資産 / 流動負債)×100
当座比率=(当座資産 / 流動負債)×100(今回は出題なし)
固定比率=(固定資産 / 自己資本)×100
固定長期適合率={固定資産 / (自己資本+非支配株主持分+固定負債)}×100
負債比率=(流動負債+固定負債)/ 自己資本×100
自己資本比率=(自己資本 / 総資本)×100
*****計算方法*****
流動比率=(18,000 / 9,000)×100=200%
固定比率=(14,000 / 15,000)×100=93.3%
固定長期適合率={14,000 / (15,000+0+8,000)}×100=60.8%
負債比率=(9,000 / 8,000)×100=113.3%
自己資本比率=(15,000 / 32,000)×100=46.8%
なお、「流動負債は200%以上であることが望ましい」などが〇×問題で出題されることがありますが、これは流動比率と当座比率は「以上」が望ましい、それ以外のすべてが「以下」が望ましいと覚えておきましょう。
これを応用することで「流動比率は以上が望ましいから(大きければ大きい方がいい)、流動資産が流動負債の上に来るんだな」と推測することもできるようになります。
資本効率性分析
問題⑤ 総資本回転率と総資産回転期間の計算
ある会社の貸借対照表上の数値は以下の通りであった。この会社の純売上高が60,000百万円であった場合に、総資本回転率と総資本回転期間について1~5のうちから正しいものの選択肢を選びなさい。
なお、総資本の金額は前期と当期で同額である。また、計算においては小数点第3位以下を切り捨てること。
資産の部 | 負債の部 | ||
流動資産 | 18,000 | 流動負債 | 9,000 |
固定資産 | 14,000 | 固定負債 | 8,000 |
純資産の部 | |||
自己資本 | 15,000 | ||
合計資産 | 32,000 | 合計負債・資本 | 32,000 |
1 総資本回転率は1.87、総資本回転期間は6.4
2 総資本回転率は1.87、総資本回転期間は8.6
3 総資本回転率は2.64、総資本回転期間は10.4
4 総資本回転率は2.64、総資本回転期間は12.8
5 総資本回転率は2.64、総資本回転期間は15.6
解説
正解:1
総資本回転率:1.87
総資本回転期間:6.4(月)
*****計算方法*****
総資本回転率=年間の純売上高 / 総資本(期首・期末平均)
①総資本回転率=60,000 / 32,000=1.875
総資本回転期間=総資本(期首・期末平均) / 年間の純売上高÷12
②総資本回転期間=32,000 / 60,000÷12=6.4
☆☆公式の覚え方☆☆
総資本回転期間の公式は総資本回転率の逆数で表すことができ、よって次式が成り立ちます。
総資本回転期間=12÷総資本回転率
総資本回転率=12÷総資本回転期間
これは回転期間と回転率の両方の式を覚えるよりも簡単に覚えることができるので、回転期間か回転率のどちらかの公式だけを覚えて、あとは上の式で計算すれば簡単に問題を解けます。
【上記の別解】
①総資本回転率=60,000 / 32,000=1.875
②12÷1.875=6.4
損益分岐点分析
問題⑥ 損益分岐点分析の計算
損益分岐点分析に関する以下の記述のうち、1~5の中から正しいものはどれか選びなさい。
なお、単位は百万円である。
売上高 10,000
変動費 6,000
固定費 ( A )
利益 1,000
イ 限界利益率:0.4 ロ 損益分岐点売上高:7,000 ハ 損益分岐点比率:75%
1 イのみ
2 イ、ロ
3 イ、ハ
4 ロ、ハ
5 イ、ロ、ハ
解説
正解:3
限界利益率:0.4
損益分岐点売上高:7,500
損益分岐点比率:75%
*****計算方法*****
売上高-変動費-固定費=利益
変動比率=変動費 / 売上高
限界利益率=1-変動比率
損益分岐点売上高=固定費 / 限界利益率
まず空欄の固定費を求めます。売上高から変動費と固定費を引いたものが利益となるので、「売上高-変動費-固定費=利益」の関係の式が出せます。
①10,000-6,000-固定費=1,000
固定費=3,000
次に計算の元となる変動比率について求めます。
②変動比率=6,000 / 10,000=0.6
そして変動比率から限界利益率を計算します。
③限界利益率=1-0.6=0.4
それから固定費と限界利益率を使って損益分岐点売上高を計算します。
④損益分岐点売上高=3,000 / 0.4=7,500
最後に売上に対する損益分岐点比率を算出しましょう
⑤損益分岐点比率=7,500 / 10,000=75%
必ず固定費→変動比率→限界利益率→損益分岐点売上高→損益文欽比率の順番で計算するようにしましょう。
限界利益率以降は問題文でのイ、ロ、ハの順に計算していけばいいので、始めに固定費と変動比率を求めるようにすると覚えておきます。
☆☆公式の覚え方☆☆
ここで重要なのは「計算の流れをどうやって覚えるか」です。
1つ1つの公式を覚えようとすると時間がかかるので、「今限界利益率を計算したから、次の損益分岐点売上高ではこの数字を使うんだな」と結び付けて覚えることです。
市販のテキストなどでは「損益分岐点売上高=固定費 / 1-(変動費 / 売上高)」のように公式が書いてありますが、計算の順序が分かりにくくなるためこれで覚えないようにしましょう。
「変動比率=変動費 / 売上高」「限界利益率=1-変動比率」などを代入していけば「損益分岐点売上高=固定費 / 限界利益率」という公式に変えることができるので、そちらで覚えると計算過程が分かりやすくなります。
まとめ
今回もお疲れさまでした。
安全性分析や損益分岐点分析など、難しい範囲が多かったですね。
もし分からないところがあればコメント欄で質問を書いていただければ回答いたします。
では、次は【証券税制】でお会いしましょう。
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*****次回*****