自動車を運転する以外にも身分証明相となり、社会生活においては重要となる”運転免許証”。普通免許取得は18歳から出来ることもあり、最近では大学に入学する前に運転免許を取得する人も増えています。
ただ、大学生にとって運転免許を取得する必要はあるのでしょうか? 免許取得には少なくない金額が掛かりますし、運転免許の交付までに掛かる必要期間も1~2ヵ月と短くありません。
今回の記事では、「免許って大学生で必要になるの?」という疑問に答えるために、大学生が免許を持つメリット・デメリットを考えていきます。
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免許を取得している大学生の割合
では、実際に免許を取得している大学生はどのくらい居るのでしょうか?
以下のグラフは、内閣府公開のデータを一部抜き出して作成したものです。免許を取得した人を「16歳~19歳」「20歳~24歳」の2つの年齢層に分けて、それぞれの取得者の割合をまとめたものになります。
▼年代別での運転免許の取得率
▲出典:内閣府「男女別運転免許保有者数と年齢層別保有者率(平成30年末)」
16歳~19歳の間では免許取得率が21.2%と低いですが、20~24歳では免許取得率が78.7%とかなり高くなっています。
16歳~19歳までの免許取得率が低い理由としては、普通自動車免許の取得が18歳以降であることが挙げられるでしょう。
画像の資料を見ると、大学生全体のうち7~8割程度が運転免許を取得している計算となります。
データの年齢層は「16歳~19歳」「20歳~24歳」と、大学生の年齢層(18歳~22歳)と比較して多少の違いはありますが、数値としては誤差は少ないように思えます。
大学を卒業してすぐに免許を取りに行く人はなかなか居ませんし、何より就職した場合は忙しくて取りに行く暇もないでしょう。
ザル勘定ではありますが、大学生のうち5人中4人が免許を取得していると考えればかなり多いように感じますね。
大学生で免許を取得するメリット
メリット① 自動車が運転できる
もちろん、言うまでもありませんが「自動車を運転するためには免許が必要」です。
運転免許を取得すれば自動車が運転できるようになりますし、自動車が運転できれば行動範囲は大きく広がります。
自動車を運転できれば「レンタカーで旅行」「大学まで車で通う」などといったことも出来るようになるので、学生生活の楽しみがグッと増えることでしょう。
車が運転できればかなり行動範囲が広がります。
遊びや旅行だけでなく、大学まで車で通うことで時間の節約にもなりますね。
もちろん、その場合は車を持っていないとダメですが……。
メリット② 身分証明書になる
こちらも常識だと思いますが、運転免許証は非常に便利な身分証明書となります。
特に運転免許証は都道府県が発行を担っていることもあって身分証としての信頼度は最上級の扱いとなっています。
年齢確認や職務質問などで「身分証明書の提示をお願いします」と言われた時は免許証1つあれば事足りることでしょう。
特に大学ではサークル活動や友達との付き合いなどで飲み会に行くことも多くなるので、年齢を証明できる身分証というのはかなり重要なものになります。
僕の経験上、二十歳を過ぎたくらいだと年齢確認をされることも多いです。
なので身分証として免許証を取るのはアリだと思います。
メリット③ 自動車学校によっては「学割」が効く
大学生の間に自動車学校に通うことで、ある程度の金額が「学割」として割り引かれることがあります。
最近は大学と自動車学校が提携して割引キャンペーンなどを行っている場合も多く、通常料金で通うより幾分かお得に免許を取ることが出来るでしょう。
とはいえ、「具体的にいくら割引が行われるのか」という金額は自動車学校によって様々なので、一概に「〇〇円安くなる」と言うことは出来ません。
一般的には学割は5千円という自動車学校が多いようです。
他には学生限定ではないけど、「紹介キャンペーン」「団体割引」などもあるようです。
ただ、割引を行っているかどうかは自動車学校によるので注意が必要です。
メリット④ 就活に有利……かも
一説によると「入社して一番役に立つ資格は運転免許」などと言われることも多いくらい、社会人になった後の免許の必要性は高いです。中には企業説明会などで必要資格を就活生に問われた際に、「運転免許があれば十分です」と回答する人事担当も少なくありません。
よって就職活動でも「運転免許を取得しています!」というアピールを行える場合も……無いとは言えません。
ただ、運転免許は「入社するまでには取っておいた方が良いよ」という程度なので、就職活動で活かせるかと言われれば微妙なところです。
正直、就活のためだけに運転免許を取るのはコスパが悪いと思います。
「社会人になった後に取りに行ける余裕がないから」などの理由があれば別ですが……。
大学生で免許を取得するデメリット
デメリット① 費用が掛かる
運転免許を取得する場合、殆どの人は「自動車学校に通って免許の勉強をする」という方法を取るでしょうが、それには多くの費用が掛かります。
自動車学校に掛かるお金は、通う時期や取得する免許の種類によって変わりますが、通常25~30万円ほどかかります。
アルバイト等を行っていて金銭的に余裕のある学生ならともかく、普通の学生が出すには些か多い金額となっています。
自身で自動車学校の費用を貯めるには数ヵ月掛かりますし、両親など身内に負担してもらえる場合でもすぐにとはいかないでしょう。
デメリット② 時間が掛かる
自動車学校をどのようなスケジュールで通うかによりますが、免許取得までは早くて1ヵ月、通常で2ヵ月程度は掛かります。
上記の「早くて1ヵ月」は毎日自動車学校に通える人でなければ厳しいので、大学の講義を受けながら自動車学校に通う場合は恐らく2ヵ月以上は掛かると考えてよいでしょう。
もちろんそれ以外の用事(アルバイトやサークル活動等)を並行して行う場合は3ヵ月以上かかるケースも多いでしょう。
大学1~2年生の間とかは授業を多く入れてる人も多いと思います。
そうした人は自動車学校の卒業が遅れがちらしいです……。
デメリット③ 車を持っていないと免許は役に立たない
いくら免許を取得していたとしても、自身で使える車が無ければ意味がありません。
中には大学に通っている間に自動車を購入する学生も少なくはありませんが、その場合はガソリン代や車検代等、様々な維持費が掛かるようになるので注意が必要です。
また、「将来運転する時のために免許を取っておく!」という人も多いですが、免許を取得しても車を運転をしない期間が長ければ、運転技術がさび付いてしまうので注意が必要です。
案外「免許は取ったけど大学に在学中一度も運転していない」という人は多いです。
ペーパードライバー化しないための練習が必要ですね。
デメリット④ 免許更新が手間
最初に免許証を取得した後の更新期間は、取得日から3年後の誕生日前後1ヵ月です。
例えば4月1日生まれの人が大学1年生で免許を取得した場合、大学4年生の3月1日~5月1日までの間で免許を更新しなければなりません。
免許の更新は順調にいけば数時間で終わる程度ですが、移動時間も含めるとほぼ1日が潰されてしまう人もいるでしょう。
更新期間も誕生日から1ヵ月前後と、実質60日程度しか期間が無い点も注意が必要です。
「授業や課題、就活などで忙しくて行けない……」となるくらいなら、あえて免許取得を延期するという選択をするのも良いかもしれません。
特に「大学1年生で免許を取ったよ!」という人は、就活や卒論で忙しくなる4年生で更新に行かないといけないので注意が必要です。
免許がなくて大学生活中に困ることってあるの?
この記事を見てくださっている方が一番気になることとしては、「大学で免許が無かったら困るの?」ということだと思います。
記事の上部に記載した「大学生のうち、およそ7割~8割程度が免許を取得している」ということ考えれば、大学生活で免許が必要なのかと考えてしまいますよね。
ただ、正直に言うと運転しようと思う人以外は免許がなくても困ることはないです。
なので、免許取得を迷っている方は「大学で自分が車を運転するか?」という点を目安にすると良いと思います。
残念ながら、運転をしない人にとっては免許は精々「多少便利な身分証明書」でしかなく、お酒を買った時に提示するくらいしか用途はありません。
もちろん免許があれば「大学まで自動車で通う」「友達と自動車で遊びに行く」など便利になることは間違いありませんが、そもそも運転をしようと思っていない人には必要のないことでしょう。
結論:運転免許は在学中には取った方が良いけど、焦る必要はない
これまでの話をまとめると、結論としては「大学生の間に免許は取った方が良いけど、焦って取るほどのものではない」と言えます。
免許を取るためには少なくないお金と時間が掛かるので、思い立ってすぐ免許を取得できるわけではありませんし、その割に大学生活で使う機会はさほど多くはありません。
「早く免許を取らないといけない!」などと焦って大学1年生で免許を取りに行ったりすると、大学の授業とスケジュールが被ってしまって免許取得に数ヵ月を要する可能性も低くないでしょう。
今すぐにでも使いたいという訳でないのなら、じっくりとタイミングを見て免許の取得を行うのが良いと思います。
中には「卒業論文が終わって暇になったから、卒業までに残った数か月で免許を取りに行く」という人も少なくありません。その頃になると免許取得に専念できると思うので、卒業ギリギリで免許を取りに行くのもいいかもしれません。