高校を卒業して、晴れて春から大学生になる方々。新たな出会いや生活に胸を躍らせると同時に、大学の難解な授業システムに頭を悩ませている方も多く居ることでしょう。
今回は大学の授業における『単位』について解説を行います。これから大学生になる方はぜひ参考にしてください!
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単位ってなに?
単位とは、大学の授業で一定以上の成績を修めた場合に大学から与えられる証明のことを指します。
高校生までとは違って大学は授業が選択制なので、この単位を用いることによって学生の授業数を管理しているという訳なのです。
多くの大学では1つの授業につき2単位与えられ、大学4年間で合計124~136単位程度を取れば卒業できるケースが殆どです。
また、単位は「必修」「選択必修」「自由選択」の3種類に分かれており、必修と選択必修についてはそれぞれ決められた単位数を取得しなければ卒業に必要な124~136単位を超えていても卒業できません。
例えば「必修:20単位」「選択必修:30単位」「卒業に必要な単位:124単位」だったとして、124単位を取っていたとしても必修と選択必修が足りていなければ留年となってしまう訳です。
ゆえに、単位は大学1年生の頃から計算して取っていく必要があると言えます。
単位は「必修」「選択必修」「自由選択」に分けられる
単位にもいくつか種類があって、主に「必修」「選択必修」「自由選択」の3種類に分けられます。
この中でも特に注意しなければならないのが「必修」「選択必修」で、この2つは規定数まで取得できなければ卒業できません。
大学を卒業するために必要な単位は124~136程度ですが、例えこの数字を超えても必修と選択必修が足りていなければ留年となります。
4年生になってこれらの単位が足りていないと絶望しないためにも、1~3年生のうちにしっかりと計算を行っておく必要があるでしょう。
必修
必修科目はその名の通り「必ず修めなければならない単位」のことを指します。
この必修科目を取りきることが出来なければ、殆どの大学では卒業することは出来ないでしょう。
どのような科目が必修なのかは大学によって違いますが、学部・学科に深く関連した科目は必修である可能性が高いです。
例えば経済学部では「簿記」「マクロ経済」「ミクロ経済」などが代表的です。
選択必修
選択必修は「いくつかある候補のうちから、自分で選択して取る必修科目」です。
例えば選択必修のカテゴリに入る授業の合計が60単位分あったとして、選択必修の必要単位が40単位だったとします。この60単位の授業のうち40単位分自分の好きな科目を選択すれば良いわけですね。
選択”必修”となっている通り、必修単位と同じく取得できなければ卒業できません。
必修科目の影に隠れていて意外と見落としやすいので注意が必要です。
自由選択
必修科目と選択必修科目以外の授業で、要は「自由に好きな授業を取ってもいいよ!」という枠です。
名前の通り「自由に選択できる科目」のことで、どの授業を選択するかは学生の裁量次第となります。
中には一風変わった面白い授業もあるので、シラバスや授業の手引きは確認するようにしましょう。
ちなみに僕の大学だと「友達と囲碁を指すだけの授業」があったよ!
案外楽しい授業がいくつも隠れてるから、探してみるのも面白いと思うよ!
卒業までに取らなければならない単位の数
大学によって卒業までに必要な単位数は違いますが、およそ124~136単位の大学が多数です。
1つの授業を履修すると2単位もらえる(偶に1単位しかもらえない授業もありますが)ので、大学4年間でおよそ62~68程度の授業を受ければ良い計算になります。
また、大学4年生で書くことになる卒業論文にも単位があります。一般的に卒業論文は4~8単位が多いです。
なので実質は120単位前後を授業を取ることとなるため、4年間で受ける授業の数は60程度と思っておけばいいでしょう!
ちなみに卒業論文も”必修科目”の大学も多いから注意してね!
最近は卒論を書かなくていい大学もあるみたいだけど……。
単位決め(履修登録)はいつやるの?
学期初めの1週間程度を履修申請の期間としている大学が多いです。大学の授業はどれも学生にとって初めて受ける授業ばかりなので、勉強したい内容と教える内容にギャップが生じないようにしている訳です。
画一的に授業を行う以上、どうしても学生が知りたい内容と教員が教える内容には隔たりが生じてしまうので、試しに一度授業を受けてみてから履修申請をするかどうか決めるということです。
つまり「1週間は履修登録の期間あげるから受けてみたい授業は一度参加してみてね」ということだよ!
余談ですが、そのような事情のため初回の授業はガイダンスとして扱われていることが多いです。
これからの授業でどんなことを勉強するのかはもちろん、成績の付け方や提出課題の有無、テストの形式なども知ることが出来ます。
単位取得に有利に働く情報を得ることが出来るので、可能な限り初回の授業には参加しておくことをおすすめします。
単位と成績の評価
単位は「秀、優、良、可、不可」の5段階で評価が決められます。
左に行くほど評価が良く、このうち単位として認められるのは「可」以上の成績であった時のみです。
不可の成績が付いてしまうともう一度履修をしなければならないので注意をしましょう。
また、大学での成績を示す指標として「GPA」というものも存在します。
「秀:4点」「優:3点」「良:2点」「可:1点」となり、それらを足し合わせて取得単位数で除した数字がGPAになります。
最近は就活でGPAを重視する企業も増えてきているので、大学生の授業ではなるべく秀を取った方が就活で有利になるでしょう。
成績 | 得点 | GPA |
秀 | 91点~100点 | 4.0 |
優 | 80点~89点 | 3.0 |
良 | 70点~79点 | 2.0 |
可 | 60点~69点 | 1.0 |
不可 | 0~59点 | — |
大学を楽しく過ごすには「楽に取れる単位」を選べ
楽しい大学生活を過ごすために大事なことが、「いかに楽な単位を取得するか?」と言うことです。
単位には「取るのが簡単な単位」と「取るのが難しい単位」の2種類が存在しており、大学生活の楽しさはどれだけ簡単な単位を選べるかということにかかっていると言っても過言ではありません。
取得が難しい単位を履修してしまうと、楽しいはずの大学生活も【予習&復習】の日々となってしまいます。
詳しくは「【楽単の見つけ方】大学生活を左右する「楽な単位」はこう見つけろ!」で解説していますが、一部抜粋してお伝えします。
簡単な単位は次のように見つけましょう。
① 先輩に聞く
② 初回の授業に参加する
③ 教授から選ぶ
④「みんなのキャンパス」を使う
① 先輩に聞く
最も王道で最も効果的なやり方が、先輩に楽な授業を聞くという方法です。
既に大学で一年以上過ごしている先輩方は、単位に関するさまざまな情報を持っています。楽な単位の情報なんて朝飯前で、「この単位はテストが無いから簡単だよ」「この先生は授業が早く終わっていいよ」などの良い助言を貰えることでしょう。
自身が受けて楽だった授業はもちろん、彼らの友人から聞いた楽な単位の情報なども揃っている場合も多いです。
楽な授業だけではなく「楽しい授業」や「勉強になる授業」なども知っているので、一度は話を聞いてみることをおすすめします。
② 初回の授業に参加する
初回の授業はガイダンスとして行われることが多く、授業の進め方や試験・レポートの有無などを解説する場合が多いです。
なので、初回の授業に参加して楽そうだと感じたら履修申請をするといいでしょう。
この方法のメリットは「本当に自分にとって楽な単位なのか確かめられる」ということですね。
人から聞いた楽な単位は、当然ですがその人の感じ方によって変化します。例えば「試験はないけどレポート課題が多い」授業を楽だと感じる人もいますし、反対もしかりです。
「自分にとってどんな授業が楽なのか?」ということをしっかりと考えた上で授業を取れるので、後になって取らない方が良かったと悩むことが少なくなります。
③ 教授から選ぶ
比較的上級生向けの方法ですが、授業を担当している教授から選ぶ方法もあります。
なぜなら、大学の授業をしている教授の中にはめちゃくちゃ厳しい人も多いからです。厳しい先生の授業では簡単に単位を取ることは出来ませんし、なにより授業中に私語やスマホが出来ないので退屈になります。
授業の方針は教員が決めているので、授業を担当している教員を見て決めるといいでしょう。
特におススメなのが「ゼミやサークルなど付き合いのある教授の講義を選ぶ」ことですね。
成績を甘く見てくれたり、こっそりと試験範囲を教えてくれることもあります。
④「みんなのキャンパス」を使う
①~③がどれも面倒くさい場合は、ネットの「みんなのキャンパス」というサイトを使うのがおすすめです。
このサイトは「各大学に通う現役大学生が授業の評価を行う」というもので、「各大学の学生が実際に授業を受けた感想」が書かれています。
使う際には「大学名」と「講義名」を検索して、授業方針の変更されるケースも考えて出来るだけ最新の評価を確認するようにしましょう。
また、みんなのキャンパスには「楽単度」という5段階で行われている評価制度もあるので、単位取得の簡単さを確認する際には重宝するでしょう。
1~4年生で取得する単位数の目安
大学は1単位でも足りていなければ卒業できないので、1年生~4年生の間でそれぞれ何単位取得しておくのかという計算が重要になります。
この計算が出来ていなければ卒業間際になって「単位が足りない!」と焦ることになるかもしれません。
あなたが通う大学の取得単位数から、1~4年生でどれだけの単位を取ればいいのかをチェックしておきましょう。
理想的な単位の取り方としては、比較的時間の余裕がある1~3年生の間で合計単位数の9割近くを取ってしまうのがいいでしょう。
4年生では卒業論文と就職活動で時間を割く必要があり、単位を取りながら就活や卒論を行うのは非常に困難です。
なので、4年生が始まるまでにゼミと卒業論文以外の単位はすべて取り切ってしまうことをおすすめします。
ゼミと卒業論文は4年生でしか取れない単位なので前もって受けておくことは出来ませんが、その他の単位を取り切っておくことで4年生の学校生活が楽になります。
ゼミと卒論の単位数については「4年生のゼミ:4単位」「卒業論文:4単位」を採用している大学が多いので、卒業までに必要になる単位から8を引けば4年生が始まるまでに取得するべき単位の数が分かります。
以下は、卒業までに必要な単位を124単位と過程した場合の計算です。また、4年生のゼミを4単位、卒論を4単位で計算しています。
学年 | 取得単位数 | 合計 |
1年生 | 42単位 | 42単位 |
2年生 | 42単位 | 84単位 |
3年生 | 32単位 | 116単位 |
4年生 | 8単位 | 124単位 |
まとめ:単位取得は早めに行おう
大学生活を楽しく過ごす秘訣として「単位取得は早めに行っておく」ということがあります。
理想的な単位取得の方法は、「4年生開始時点で卒論とゼミ以外の単位は全て取り終えておく」ということでしょう。
どうしても面倒な単位は後々に延ばしてしまいがちですが、4年生になると就活や卒論で時間が掛かるため単位を取っている暇がありません。
それこそ「4年生で単位を取るために授業に行ってたら、卒論と就活をしてる暇がなかった……」なんてことになれば大変です。
どちらも単位と同じくらいには大切な事なので、就活と卒論が始まる4年生までに単位は取り切っておくことをおすすめします。