【大学入試改革】2021年から開始の「大学入学共通テスト」では何が変更される?

大学入学共通テスト大学

2021年1月から実施される「大学入学共通テスト」。1990年からおよそ30年ものあいだ続いたセンター試験は廃止され、新たな試験方式へと生まれ変わります。

特に一部の問題が記述式になったりと、これまで行われてきたセンター試験とは全く違った形式で出題されるケースもあります。現役の受験生の方も、そうした変化に不安を抱えている方もいるのではないでしょうか?

今回の記事では「大学入学共通テストでの変更点、出題範囲」などを解説していきます。記事の最後に模擬問題へのリンクも貼っておくので、良ければご活用ください!

大学共通テストの変更点のまとめ

主な変更点は以下の通りです。赤いフォントの部分は重要なのでしっかりと確認しておきましょう。

 センター試験大学入学共通テスト
実施時期~2020年1月2021年1月~
対象学生2017年以前入学の高校生2018年以降入学の高校生
出題形式マークシートのみマーク+記述問題(国・数)
試験時間「国語」:80分
「数学Ⅰ・数学A」:60分
「国語」:100分
「数学Ⅰ・数学A」:70分
英語の配点リスニング:50点
リーディング:200点
リスニング:100点
リーディング:100点

 

大学入学共通テストとは?

大学入学共通テストは、2021年1月(令和3年)から開始される大学の共通入学試験のことを指します。

これまで大学の共通入学試験としてセンター試験が採用されていましたが、2021年からは大学入学共通テストと名前が変わり、それに伴って一部の科目の出題形式が大幅に変更される予定です。

実際に大学入学共通テストを受けるのは2018年に入学した高校生です。

年数に直すと、2002年に生まれた人が対象となります。

実施目的

大学入学共通テストの実施目的について、文部科学省は以下の通りに述べています。

 グローバル化の進展や人工知能技術をはじめとする技術革新などに伴い、社会構造も急速に、かつ大きく変革しており、予見の困難な時代の中で新たな価値を創造していく力を育てることが必要です。

 このためには、『学力の3要素』(1.知識・技能、2.思考力・判断力・表現力、3.主体性を持って多様な人々と 協働して学ぶ態度)を育成・評価することが重要であり、「高等学校教育」と、「大学教育」、そして両者を接続する「大学入学者選抜」を一体的に改革し、それぞれの在り方を転換していく必要があります。

文部科学省『大学入学共通テストについて』

近年の日本では急速に技術革新が進み、それと同時に社会構造も大きく変化しています。

ダイバーシティ化や、第四次産業革命におけるAIの発達、不安定な国際情勢など、予測が困難な変化がいくつも起こり、この動きは更に加速していくと考えられています。

そうした時代の中で折れることなく生き、社会に貢献していける人材を育てるために「教育改革」が進められています。

実施時期・対象となる学生

大学入学共通テストは、2021年1月(令和3年)から開始されます。

試験は1月の中旬・下旬の2日間で行われ、初回実施は1月16日(土)・17日(日)です。

実施日程はこれまでのセンター試験と変わらないので、しっかりと勉強をして臨みましょう。

 

また、対象となる学生は2021年以降卒業の高校生となります。

入学が2018年以降、または生まれた年が2002年以降の人が試験の対象者となります。

2017年以前に入学をされた方はこれまで通りセンター試験なので、間違えないようにしっかりと確認しておきましょう。

問題形式

大学入学共通テストの問題は以下の通りです。

詳しくは後述しますが、大きく変更されたのが「国語」「数学」「英語」の3教科です。

逆に「社会」や「理科」はセンター試験の内容から殆ど変更されていません。

引用:大学入試センター

センター試験からの変更点

「国語・数学」の問題が記述式に

「国語」「数学Ⅰ」「数学Ⅰ・数学A」の科目は一部の問題が記述式になりました。

問題がすべて記述式になるのではなく、マークシートと記述問題が混合で出題されるようです。

「国語」においては、記述式の問題は近代以降の文章のみとされるようです。古文や漢文で出題される訳ではなく、現代文のみの回答となります。

「数学Ⅰ」「数学Ⅰ・数学A」においては、「数学Ⅰ」の範囲が小問3問で出題されるようです。「数学A」の問題は出ることはなく、「数学Ⅱ・数学B」も同様に記述問題はありません。

「英語」はリスニングとリーディングが同じ点数に

現在のセンター試験の「リスニング:50点、リーディング:200点」から「リスニング:100点、リーディング:100点」に変化します。

全体としては合計点が50点低下し、リスニングの得点比率が大幅に引き上げられました。

以前から問題視されていた「書けるけど話せない」という教育を見直す方針のようです。

 

配点は大きく変わりましたが解答時間に変更はありません。あくまで1問当たりの得点が変更されただけで、問題の難易度には影響が表れないようです。

試験時間が延長される

試験内容が増加したこともあり、試験時間が延長された科目も一部存在します。

変更されたのは「国語」「数学Ⅰ・数学A」のみで、それぞれ以下の通りに変わっています。

  • 「国語」:100分(20分増加)

現代文の記述問題が追加されたことが要因。古文・漢文から記述式問題は出ることはなく、得点は「マークシート:200点+記述式:段階式」となります。

  • 「数学Ⅰ・数学A」:70分(10分増加)

「数学Ⅰ」の記述問題が追加されたことが要因。記述問題は小問3問で出題され、「数学A」の範囲が出ることはありません。配点についてはまだ未定となっています。

プレテストの問題・解答・解説

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センター試験から大学入学共通テストに移行するのは2021年のことですが、それに先駆けて文部科学省が主導して試行調査が行われました。

この調査は2017年(平成29年)、2018年(平成30年)の2回に分けて行われており、大学入学共通テストの出題範囲に則した内容となっています。

新たに記述問題が追加された「国語」「数学Ⅰ」「数学Ⅰ・数学A」については、問題の意図もしっかりと把握しておくことをおススメします。

2017年度の問題・解答・解説

2018年度の問題・解答・解説

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