【返還不要の奨学金】2020年4月から始まる「大学無償化」の対象学生と支援額について

大学無償化大学

現在の日本の大学進学率は55%程度と言われており、その数値は年々上昇傾向にあります。就職活動にも大卒が有利となっており、それを目的に入学を決意する人も少なくはありません。

しかし、同時に「学費に対する不安感」を抱える学生も増加傾向にあります。日本学生機構調べによると、現役大学生のおよそ半数が奨学金を受給しており、進学に必要な学費を工面できない家庭も増えてきているようです。

今回は2020年4月から開始される「大学無償化制度」について調べていきます。これから大学生になる方は、制度を活用してみるのはいかがでしょうか?

大学無償化制度とは?

大学無償化制度とは、経済的な理由が原因で大学に進学することが困難な学生に対して行われる支援制度のことを指します。

2020年4月から開始され、およそ2割程度の学生が支援対象となる予定で、奨学金と違い返還の義務はありません。

就職後も奨学金の返済に苦心する必要がなく、制度を活用する学生に優しい仕組みとなっています。

 

また、財源としては2019年10月に行われた消費税の増税分を充てる計画になっています。

対象となる学校は大学だけに留まらず、短大、専門学校、高等専門学校も支援対象となります。

 

実際の支援については「①授業料等減免」「②給付型奨学金」の2つに分類され、進学先の学校や家庭の経済状況により給付額は変動します。

①授業料等減免については、「国公立か私立か」「大学、短大など進学先の学校の種類」によって金額が変動し、最も出費の多い私大学生は「入学金:26万円、授業料:90万円(年額)」の補助を受けられます。

②給付型奨学金については、「国公立か私立か」「自宅生か自宅外生(一人暮らし)か」によって金額が変動し、最大91万円の補助を受けることが出来ます。

支援を受けるための条件

経済的な理由で進学が困難な学生にとっては便利な制度ですが、誰でも補助を受けられるという訳ではありません。

希望する学生の数は多く、すべての人たちに支援することは不可能だからです。

サポートを受けるための条件は「①経済的な条件」と「②成績的な条件」の2つに分類されるので、自分が該当しているのかをキチンと確認しておきましょう。

また、サポート開始後にも「本人の勉強状況」が継続的に診断され、学習に意欲的ではないと判断された場合には支援を打ち切られる可能性もあります。

①経済的な条件

家庭の収入状況によって支援を受けられるかどうかが決まります。

最大でも年収が380万円以下の家庭でしか支援を受けることは出来ず、年収がそれ以上の家庭の学生はこれまで通り奨学金の需給を行うことになるでしょう。

家庭の年収によって支援額も変わり、「第Ⅰ区分(全額)」「第Ⅱ区分(3分の2)」「第Ⅲ区分(3分の1)」の3つに分けられます。

詳しくは下記の表にまとめていますので、そちらをご確認ください。

引用:文部科学省『高等教育の修学支援新制度について』

 

また、家庭が保有する不動産以外の資産(家や土地など以外)が2,000万円以下も条件となります。

貯金や自動車などの資産が2,000万円を超えている家庭は支援の対象にならないので注意が必要です。

 

日本学生支援機構(JASSO)が提供している「進学資金シミュレーター」で、支援を受けられるかどうかを調べることが出来るので、需給を検討している方は一度試してみてください。

「進学資金シミュレーター」https://www.jasso.go.jp/shogakukin/oyakudachi/shogakukin-simulator.html

②成績的な条件

成績的な条件については、『進学前は成績だけで否定的な判断をせず、レポート等で本人の学修意欲を確認』となっており、高校までの成績だけで判断されることはありません。

学生の成績に関する規定もありますが、「評定平均」「GPA」などの成績の数字のみで受給を制限されることはないようです。

進学に対する本人の意欲が最も重要となり、どれだけ進学意欲をアピールできるかが決め手となるケースが多いでしょう。

大学からは心機一転して勉学に励もうという学生にも門戸は広げられており、より多くの学生が制度を活用できる仕組みとなっています。

③受給の継続条件

受給を開始するために必要な要件は上記の2つですが、継続して支援を受けるためには学業に努力して取り組んでいるという成果を出す必要があります。

あくまで本制度は「勉強に意欲的な学生」を募集しており、大学で勉学に励む学生のみを対象とした制度であるからです。

具体的に「支援が直ちに停止される条件」は以下の通りです。

○次のいずれかの場合には、直ちに支援を打ち切る。なお、その態様が著しく不良であり、懲戒による退学処分など相応の理由がある場合には支援した額を徴収することができる。

ⅰ 退学・停学の処分を受けた場合
ⅱ 修業年限で卒業できないことが確定した場合
ⅲ 修得単位数が標準の5割以下の場合
ⅳ 出席率が5割以下など学習意欲が著しく低いと大学等が判断した場合

引用:文部科学省『高等教育の修学支援新制度について』

 

とはいえ、さほど厳しいものでもありません。i)、ii)については正常な学生生活を送っていればクリアできるものですし、iii)、iv)についてはしっかりと学習スケジュールを組んでいれば自ずと達成することが可能です。

 

また、「警告が行われ、連続して受けた場合に支援が停止される条件」もあります。

○次のいずれかの場合には、大学等が 「警告」を行い、それを連続で受けた場合には支援を打ち切る。

ⅰ 修得単位数が標準の6割以下の場合
ⅱ GPA(平均成績)等が下位4分の1の場合
(斟酌すべきやむを得ない事情がある場合の特例措置を検討中)
ⅲ 出席率が8割以下など学習意欲が低いと大学等が判断した場合

引用:文部科学省『高等教育の修学支援新制度について』

 

こちらは上記の「支援が直ちに停止される条件」に比べて多少厳しいものとなっています。i)、ii)は上記と同じくそれほど困難なものではありませんが、iii)については真面目に授業に出ていなければ達成することは難しいでしょう。

大学の場合、授業は15回で構成されている場合が多く、そのうち出席数が12回以下の場合は警告を受けることとなります。

気軽に授業を休んでいるとすぐに超えてしまう数なので、支援を受けている学生は出席回数も気にかけて学生生活を送る必要があると言えます。

支援額はいくら?

では、具体的に「いくら支援されるのか」ということについて見ていきましょう。

大学無償化制度での支援額は「①授業料等減免」「②給付型奨学金」の2種類に分類されます。

①授業料等減免については、「国公立か私立か」「大学、短大など進学先の学校の種類」によって金額が変動し、最も出費の多い私大学生は「入学金:26万円、授業料:90万円(年額)」の補助を受けられます。

②給付型奨学金については、「国公立か私立か」「自宅生か自宅外生(一人暮らし)か」によって金額が変動し、最大91万円の補助を受けることが出来ます。

特に国公立に通うか私立に通うかで金額にかなり差がでてくるので、進学先の学校と照らし合わせて計算するようにしましょう。

①授業料減免

授業料減免とは、その名前の通り「大学に納める授業料を肩代わりする制度」です。

あくまで授業料を国が肩代わりするだけの制度なので、奨学金等とは違い負担してもらった金額を自由に使えるわけではありません。

授業料は各学校によって違いがあるので、「国公立か私立か」「大学、短大など進学先の学校の種類」によって減免される金額も変動します。

金額の違いは以下の表で確認してください。

 国公立私立
 入学金授業料入学金授業料
大学約28万円約58万円約26万円約70万円
短期大学(短大)約17万円約39万円約25万円約62万円
高等専門学校(高専)約8万円約23万円約13万円約70万円
専門学校約7万円約17万円約16万円約59万円

出典:文部科学省『高等教育の修学支援新制度について』

文部科学省の調査によると、授業料として年額「国立大学:535,800円」「公立:537,089円」「私立大学:877,735円」かかり、入学金としては「国立大学:282,000円」「公立大学:229,584円」「私立大学:253,461円」必要となります。

国公立についてはほぼ全額負担されている状況となり、私立大学でも8割程度は補助を受けることが可能です。

進学に際して、金銭的に最も大きなウェイトを占めるものが「授業料」なので、経済的に進学が厳しい学生にとっては助かる支援だと言えますね。

 

出典:http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shinkou/07021403/1399613.htm

   http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/kouritsu/detail/1284429.htm

②給付型奨学金

給付型奨学金は先述の授業料減免とは違い、学生が自由にお金の使い道を決めることが出来るのが特徴です。

そのまま授業料に使うことも可能ですし、学校までの交通費、昼食代、参考書や資格の受験費用に充てることも出来ます。

給付額は「国公立か私立か」「自宅生か自宅外生(一人暮らし)か」によって金額は変わり、特に1人暮らしの学生に対しては給付額が高くなっています。

具体的な支給金額は下記のとおりです。

国公立 大学・短期大学・専門学校自宅生 約35万円、 自宅外生 約80万円
国公立 高等専門学校自宅生 約21万円、 自宅外生 約41万円
私立  大学・短期大学・専門学校自宅生 約46万円、 自宅外生 約91万円
私立  高等専門学校自宅生 約32万円、 自宅外生 約52万円

出典:文部科学省『高等教育の修学支援新制度について』

実家からの支援に頼れない一人暮らしをする学生には心強い奨学金となるでしょう。

とはいえ、この奨学金だけで生計を立てるのは不可能なので、適宜アルバイトなどで生活費を賄っていく必要があると言えます。

支援対象となる大学等

支援対象となる学生が規定されているように、大学等にも支援を行うための条件が存在します。

あくまで「勉強に意欲的な学生」を募集しているため、学びに適さない大学等は支援を受けることは出来ません。

特に「①授業料減免」は国が学費を負担する精度なので、「大学が支援を受けられない=学生が支援を受けられない」ともなりかねません。

進学先の大学等が支援を受けられるものなのか、しっかりと確認をしておきましょう。

 

支援を受けられる大学等の要件は以下の通りです。

引用:文部科学省『高等教育の修学支援新制度について』

 

色々と必要条件がありますが、殆どの大学等はクリアしています。

文部科学省「高等教育の修学支援新制度」に条件を満たす大学等が記載されているので、ご自身の進学先をチェックしてみてください。

申請スケジュールを確認しよう

大学無償化制度は2020年4月から開始されます。

学生が入学する4月に合わせて採用・支援開始となる予定ですが、支援のタイプによって申請時期は変わります

また、在籍中の学生も申請を行うことは可能です。

具体的な申請方法は所属する高校・大学によって変わるので、担任の先生や学生課に問い合わせをしましょう。

引用:文部科学省『高等教育の修学支援新制度について』

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