インターネットでファイルを送受信する時には、ファイルの圧縮を行ってファイルサイズを小さくすることで、通信量を減らす工夫が取られています。
ただ、そうしたファイルの圧縮には「zip形式」や「7z形式」などの色々な形式が存在しており、どれを使えばいいか分からないという方も多いでしょう。
この記事では圧縮方式の種類と、おすすめの圧縮方法について解説を行っていきます。
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主なファイルの圧縮方法
zip形式
■特徴
色々ある圧縮方法の中で最も普及している種類が「zip」形式です。
WindowsやMacに標準搭載されているのもこの圧縮形式なため、追加で解凍ソフトをダウンロードしてなくても圧縮・解凍を行うことが可能という特徴があります。
ソフトウェアなしで圧縮や解凍ができるためパソコンが苦手な方でも使いやすく、国内では間違いなく一番使用されることが多い圧縮方法と言えます。
■欠点
zip形式は最も使用されている圧縮方法ではありますが、実はデメリットも多く使いにくい部分も多いです。以下の3点が主なzip形式の欠点と言えます。
- 他の方法に比べると圧縮率が低い
- 4GB以上のファイルを圧縮すると、データが破損する
- 圧縮後のサイズが2GBを超えた場合も、データが破損する
特に、zip形式は上記のようなファイルサイズの制限があるため、ゲームや動画などの大容量のファイルを圧縮して送ることには向いていません。
7z形式
■特徴
7z形式はzip形式で圧縮されたファイルよりも圧縮率が高いという特徴があります。
zip形式よりも圧縮率が高いため、ゲームや動画などの大容量のファイルを圧縮する時に有効です。主に「7zip」という圧縮ソフトを使用して7z形式の圧縮を行うことが出来ます。
また、最大4GBのファイルしか圧縮できないzipに比べて、7zは「16 EB(16,000,000,000GB)」までのファイルの圧縮が行うことが可能です。
■欠点
唯一のデメリットとしては、ファイルを7zに圧縮ができる圧縮ソフトが少ないということでしょう。
7z形式のファイルを解凍できるソフトは多いですが、反対にファイルを7zに圧縮できるソフトは殆どありません。zip形式に比べて普及がされていないのは、対応ソフトが少ないことが一因だと考えられます。
ファイル圧縮率だけならトップクラスの性能です。ただ使われているのを見ることはあまりないですね。
rar形式
■特徴
最近、知名度が大きく上昇してきたのが「rar」形式の圧縮方法です。いろいろな圧縮方式の中でも使いやすいことが有名で、主な特徴としては以下の通りです。
- zip形式よりも圧縮率が高い
- リカバリレコード機能で、破損ファイルの修復が可能
- ファイルを分割して圧縮できる
■欠点
rar形式には特に欠点らしい欠点がなく、zip形式に比べれば非常に使いやすい圧縮形式と言えます。
ただし7zと同じくWindowsやMacのOSに標準搭載されていないため、専用の圧縮ソフト・解凍ソフトをダウンロードしないと圧縮・解凍が出来ないというデメリットがあります。
lzh形式
■特徴
lzh形式は日本で開発された圧縮方法の一つです。2010年頃までは多くの人が使用していた圧縮方法ですが、セキュリティの問題が発覚したことによって現在使用することは非推奨となっています。
■欠点
lzh形式の最大の問題点が「lzh形式で圧縮されたファイルの中に仕込まれたウイルスが、セキュリティソフトで感知できない」ということです。
通常、暗号化やパスコードが掛かっていない限りセキュリティソフトは圧縮ファイルの中に仕込まれたウイルスを感知することが出来ますが、lzh形式では暗号化などがされていなくてもウイルスを感知することができません。
要はlzh形式の圧縮ファイルはウイルスが紛れ込んでいようが分からないということになります。今でもファイルの圧縮・解凍自体はできますが、セキュリティのリスクが高いため積極的に使用するものではないでしょう。
ちなみにWindows8までは標準機能でzip形式とlzh形式の圧縮・解凍が出来ていました。
ただしWindows10からは上記のセキュリティの理由が原因でlzhの機能は廃止されています。
cab形式
■特徴
cav形式(Cabinet File)は、Microsoftが開発した圧縮ファイル形式の一つで、主にWindowsの更新プログラムの配布などで利用されています。
cav形式では複数のファイルを一つのファイルにまとめて格納することができ、ディレクトリ構造を保持したままアーカイブできます。これにより、大規模なインストールパッケージの作成が容易になります。
■欠点
欠点としては「上述のWindowsソフトウェアの配布以外では、一般にはあまり使われることがない」ということです。
特にWindowsの標準で圧縮が出来るzip形式や、主要なフリーソフトで対応している7zip形式やrar形式に比べて、cab形式の圧縮が出来るフリーソフトは殆どありません。
そのため一般ではあまり使用されることがないため、cab形式でファイルを受け取る機会も、cab形式でファイルを渡す機会も殆どないでしょう。
僕もzip、7zip、rarなどはよく使いますが、cab形式のファイルを使ったことは一度もないですね。
おすすめの圧縮方法について
初心者向けなのは「zip」形式
圧縮方式の中で、パソコン初心者の方でも使いやすいのがzip方式です。
zip方式はWindowsやMacの標準機能として搭載されているため、わざわざ圧縮ソフト・解凍ソフトがなくても圧縮・解凍作業を行うことが出来ます。
パソコンが苦手な方の中には「圧縮ソフトや解凍ソフトのダウンロードや使い方が分からない」という方も多いですが、zip方式ならソフトを使わなくても簡単に圧縮・解凍作業を行えます。
圧縮率を求めるなら「7z」形式
いろいろな圧縮方法の中でも、高い圧縮率を求めるなら7z方式を使うのが良いでしょう。
7zは主に「7zip」というフリーソフトを使うことで圧縮・解凍を行うことが出来ます。7z方式はzip方式と比べて高い圧縮率でファイルの圧縮を行えるため、大容量のファイルでも安心です。
また、7z方式では最大16EB(16,000,000,000GB)までのファイルの圧縮が出来ます。普通の人なら16EBものファイルを使うことは無いはずなので、ファイルサイズが大きすぎて圧縮が出来ないということはないでしょう。
分割してデータを送るなら「rar」形式
データを分割して送りたい場合はrar形式が便利です。
例えばrar方式を使えば10GBのファイルを「2GB×5」に分割して圧縮することも可能です。大容量のサイズを小分けにすることが出来るので、ファイルの送信を行うときにも便利でしょう。
特にrar方式は「uploaded」や「katfile」などアップロードサイトで使われることが多いです。アップロードサイトでありがちな「一つのファイルにつき1GBまでしかアップロードできない」などの容量制限を回避するために使われています。
ちなみに分割したファイルの解凍を行うときは、同じフォルダに圧縮ファイルをまとめて解凍作業をするだけで自動的にすべてのファイルを解凍してくれます。
ファイルの圧縮・解凍ができるフリーソフト
7zip
特徴
■ 圧縮率の高い「7z」方式でファイルの圧縮が出来る。
■ zip、7z、rar、lzhなどほぼすべての圧縮ファイルの解凍が出来る。
■ 圧縮レベルを「無圧縮、最速、高速、標準、最高、超圧縮」から選べる。
■ ファイルの暗号化をしたり、パスコードを掛けたりすることも可能。
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『Lhaplus』
特徴
■ 多機能かつ使いやすいデザインのため、初心者~上級者にもオススメ。
■ zip、7z、rar、lzhなどほぼすべての圧縮ファイルの解凍が出来る。
■ ファイルの暗号化をしたり、パスコードを掛けたりすることも可能。
ダウンロードリンク
まとめ
国内で使用されることの多い圧縮方式としては、「zip」「7z」「rar」「lzh」などが多いです。
そのうちWindowsやMac等で標準機能として圧縮・解凍ができるzip形式が最も人気ですが、インターネット等で配布されている圧縮ファイルには7z形式やrar形式のものも多いです。
そうした形式のファイルは専用の解凍ソフトが無いとファイルの解凍を行うことが出来ないので、どれか一つはダウンロードしておくのも良いでしょう。