【Windows10】パソコンの通信速度を制限する方法

通信速度パソコン&スマホ

会社や自宅でパソコンを使用しているとき、「特定のパソコンの通信速度に制限を掛けたい」というときが出てくると思います。

Windowsのデフォルトの設定では個々のパソコンの通信速度は制限されていませんが、パソコンの通信速度に制限を掛けておけば特定のパソコンがネットワークのリソースを使用しすぎる事態も避けることができます。

この記事ではそうした「パソコンに通信速度の上限を掛ける方法」について解説を行っていくので、ぜひご参考にしてください。

 

パソコンに通信速度を掛けたい!

おそらくこの記事をご覧になっている方は、何らかの事情で「パソコンに通信速度の上限を掛ける方法」について調べていると思います。

 

僕の場合は「会社のLANで大容量のソフトをダウンロードする時に回線を圧迫させたくないから」という用途で通信速度の制限を使用しました。

例えば最大「100MB/秒」出る会社のネットワークで「10GB」のファイルをダウンロードする場合、単純計算でダウンロードが完了するまでの100秒間はネットワークの速度が落ちてしまうことになります。

そうなると他の人が使用しているパソコンの通信速度も落ちてしまうため、自分が原因で他の人の作業に支障が出てしまう可能性があるという訳です。

ただ、今回紹介する方法では「パソコンの通信速度を最大100Mbpsまでに制限する」などの設定を掛けられるため、こうした通信速度の上限設定を掛けておけば一つのパソコンがネットワークのリソースを占有することを避けることが可能です。

 

パソコンに回線速度制限を掛ける方法

それではここからは、実際に「パソコンに回線速度の制限を掛ける方法」について解説を行います。僕が使用しているパソコンで確認したところ「Winodws 10のHomeとPro」の両方で通信速度の設定を掛けることが出来ました。

そのため「Pro版じゃないと出来ない」なんていう可能性は無いと思います。家庭用のPCに通信速度の制限を掛けたい時にもこちらの設定は利用できるはずです。

 

STEP.1 「Windowsキー」+「Rキー」を押して「ncpa.cpl」と入力してエンターを押す

 

STEP.2 現在接続しているネットワークの「プロパティ」を開く

 

STEP.3 「構成(C)…」をクリックする

 

STEP.4 「詳細設定」タブから「速度とデュプレックス」の設定を変更する

 

なお、設定画面の値にある「Mbps」と「MB」の対応については以下の通りです。基本的に「8Mbps=1MB」となります。

bps(ビーピーエス)

B(バイト)

1GBあたりのダウンロード速度

1.0Gbps

125MB/秒

8秒

100Mbps

12.5MB/秒

80秒(1分20秒)

10Mbps

1.25MB/秒

800秒(13分20秒)

 

という感じです。どれを選択するかについては、ネットワーク全体がどれだけ速度が出るのかによって変わってくるでしょう。

例えばネットワーク回線が「200Mbps」出るということなら、パソコンの回線速度の制限を「100Mbps」か「10Mbps」にするという感じですね。

当然ですがbpsの値がちいさくなるにつれて通信速度が下がるため、大容量のファイルのダウンロードなどを行う場合は時間が掛かるようになります。一番遅い「10Mbps」では1GBのファイルをダウンロードするのに13分以上かかってしまうため、その場合は一つ上の「100Mbps」に上げるといいでしょう。

 

補足:半二重通信と全二重通信について

設定画面に表示される「半二重通信」と「全二重通信」について解説します。半二重通信は送信と受信のどちらかしか一度に行えない通信方法で、全二重通信は送信と受信の両方を一度に行える通信のことです。

 

全二重通信が通常の電話で、半二重通信がトランシーバーでの通信と捉えれば分かりやすいと思います。トランシーバーで「〇〇です。オーバー」みたいな会話を聞いたことがある人も居ると思いますが、この「オーバー」は「いま話し終わりました。送信側から受信側に切り替えるので、喋ってもらって大丈夫です」という意味です。

半二重通信は上記のように、送信と受信が同時に出来ず、回線を送信側と受信側のどちらかが使用するかを切り替えければなりません。そのため理論上は「全二重通信よりも半二重通信の方が通信速度が遅くなる」はずです。

 

ちなみに「半二重通信」と「全二重通信」について、値をそれぞれ「10Mbps 半二重通信」と「10Mbps 全二重通信」に設定して通信速度のチェックを行ってみました。

▼「半二重通信」と「全二重通信」の通信速度の違い

上記の結果の通り、全二重通信ではほぼ10Mbpsの上限近い通信速度が出ていますが、半二重通信では7割弱程度の通信速度しか出ていません。大きなファイルのダウンロードなどを行うときは全二重通信を使用した方がいいかもしれません。

 

設定を戻すことを忘れずに

作業が終わった後は、上記の設定を元に戻すことを忘れないようにしましょう。

通信速度制限を掛けたままにして忘れると「なぜか特定のパソコンだけ通信速度が遅い」という現象が発生してしまいます。

 

その場合、ネットワーク回線の速度は出ているのにクライアント側だけ通信速度が遅いという状況になるため、原因を特定するのが非常に厄介です。

バニラ
バニラ

ちなみに僕は、自分で回線速度の制限を掛けたのを忘れて「なんで僕のパソコンだけこんな遅いんだよ……」と小一時間くらい悩みました。脳みそにも制限が掛かっていたようです。

 

まとめ:Windowsのみで出来るので便利です

今回の記事では「パソコンに通信制限を掛ける方法」について紹介していきました。

この方法で便利なのが「Windowsのパソコンさえあれば手軽に設定できる」ということですね。特殊なネットワーク機器や面倒な設定が必要ないので、一般家庭などでも試しやすいと思います。

ただ注意点としては、「速度制限の設定は必ず元に戻すこと」を忘れないようにしてください。この設定を忘れていると通信制限が解除されず、速度が遅い状態でインターネットを利用することになります

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