NASにアクセスできない時の原因と対処法について解説!

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共有フォルダを作成するための機器として会社等でも使われることの多い「NAS」ですが、ごくまれに「NASに接続できない」などの問題が発生することがあります。

NASの共有フォルダに書き込んだデータは、当然ですがNASにアクセスできないと利用できません。そのためNASが使えないと「仕事に必要なファイルが使えない」「NASの中に入っている大事なデータが見れない」など困ってしまうことが多いでしょう。

この記事ではそうした「NASにアクセスできない問題」について、原因と対処法をお伝えします。もしNASが使えなくて困っている方はご参考にしてください。

 

そもそもNASってなに?

NAS(Network Attached Storage)は名前の通り「ネットワーク上に接続されたストレージ」のことを指しています。

ストレージというと一般的には「パソコンに搭載されている内部ストレージ」や「記録用として使う外付けストレージ」などの種類がありますが、物理的に接続されていないと通信できないそれらと違い、NASは同じネットワーク上に居るすべてのパソコンと通信することが可能です。

 

一般的にNASは、パソコンで使用する「共有フォルダ」の親として使用されます。先述したようにNASは同じネットワークに居るすべてのパソコンからアクセスが可能な特性を持っているため、それを活かして複数台のパソコンの間でファイルを共有するために使われることが多いです。

また、NASの中には複数台HDDを搭載しているものもあり、そうしたモデルは「RAID機能」というNASに欠かせない便利な機能を使用することが出来ます。

RAID機能には「ファイルのバックアップを自動で取る機能」や「ストレージへの書き込みを高速化させる機能」などがあり、RAID機能によってデータの安全性を高めたり、NASを快適に利用できるようにすることが出来ます。

 

NASにアクセスできない時の症状

NASは先述したようにネットワークに繋げて利用するストレージです。そのため単純に「NASが使えない」と言っても「そもそもNASが起動しない」ということもあれば「NASは起動するが共有フォルダは使えない」などもあり、症状はさまざまです。

NASにアクセスできない場合の症状としては、下記のようなものが考えられます。

・そもそもNASが起動しない
・NASは起動しているが共有フォルダにアクセスできない
・共有フォルダは使えるが、特定のファイルやフォルダだけアクセスできない

それでは、それぞれについて詳しく見ていきましょう。

 

症状① そもそもNASが起動しない

NASにアクセスできない場合の症状として、まずは「そもそもNASが起動しない」ということが挙げられます。NASに電源ケーブルを接続してスイッチを入れても反応せず、電源ランプ自体が付かない場合が該当します。

こうした場合に考えられる原因としては、電源ケーブルやコンセント、NAS本体に異常がある可能性が高いでしょう。

ただ、NAS本体が起動しない場合は原因の調査が難しいです。特にNAS内部の部品の故障などは外見からでは判別することが困難なため、NASの故障が疑われる場合はメーカー修理などで対応するのが良いでしょう。

 

症状② NASは起動しているが共有フォルダにアクセスできない

もし「NAS本体は正常に起動するが、共有フォルダにアクセスできない」という場合は、ネットワークやNASの設定で異常が起きている場合が多いです。

NASそのものアクセスできないという場合は、NASのIPアドレスが違っていたり、ネットワークに正常に接続されていなかったりする可能性があります。その場合はNASに「ping」を送って応答があるかどうかや、他のデバイスからNASに接続できるかなどを試してみると良いでしょう。

また、共有フォルダ自体は表示されるがログインが出来ないという場合は、アカウントのパスワードが間違っているかもしれません。クライアント側でNASのWEB設定画面を開き、アカウントの設定を再度確認してみると良いでしょう。

 

症状③ 共有フォルダは使えるが、特定のファイルやフォルダだけアクセスできない

NASの共有フォルダにはアクセスできるが「その中の特定のファイルやフォルダだけが使用できない」という場合は、共有フォルダ内の設定に異常がある場合が多いです。

例えばファイルやフォルダが隠しアイテムになっていたり、フォルダのアクセス権限の設定が間違っている可能性があります。特に新規フォルダを作成した場合は、規定でユーザーからのアクセスを拒否する設定になることもあるため、こうしたフォルダにアクセスできない等の問題が発生しやすくなります。

 

NASにアクセスできない場合の原因と対処法

先ほどまででNASにアクセスできない症状を解説しましたが、一口に「NASにアクセスできない」といっても、その原因はさまざまです。

NASにアクセスできない場合の問題箇所としては、

■NAS本体の問題
■ネットワークの設定の問題
■アカウント設定やアクセス権限の問題
■クライアント側の設定の問題

などが挙げられます。

単純にNAS本体が原因で接続できない場合もあれば、ネットワークの問題であったり、NASで設定しているアカウントやアクセス権限の異常によってNASが使えない場合もあります。問題発生箇所の候補が多いため「どこで問題が起きているのか?」の見極めを正確に行うことが大切です。

 

■NAS本体の問題

対処法① 再起動を行う

よくパソコンでエラーが起きた時に「再起動すれば治る」ということがあると思いますが、NASでも同じように再起動でエラーが解消されることがあります。

 

再起動のやり方は使用しているNASによっても変わります。電源スイッチをOFFにすればいいものや、電源ボタンを長押しするものなどがあるため、詳しい再起動の手順については購入時の説明書等をご覧ください。

なお、NASの再起動はパソコンと違って時間が掛かる(数分程度)ため、気長に待っておくのをおすすめします。

 

対処法② NASの電源を確認する

もしNAS本体の電源ランプ等が点灯していない場合、そもそもNASの電源が入っていない可能性があります。電源ケーブルが接続されており、NAS本体の電源スイッチがオンになっているか確認してみてください。

もし電源ケーブルと電源スイッチを付けていても起動しないのであれば、電源を取っているコンセントを変えてみるなど故障箇所の切り分けを行うのをお勧めします。

また、NASは電源スイッチを入れてから完全に起動するまで数十秒~数分間ほど掛かります。機種にもよりますが、NAS本体の電源ランプが点滅している時は完全に起動しきっていないことが多いので、電源ボタンを入れた直後であれば少し時間をおいてアクセスしなおしてみると良いでしょう。

 

対処法③ HDDが故障していないか確認する

NASは基本的に24時間365日起動し続けている場合が多いため、NASに内蔵されているHDDの故障率は通常のパソコンで使用するよりも高いです。

もし「NAS内部のHDDから異音がしている」「ビープ音が鳴っている」「ディスプレイにエラーメッセージが表示されている」などの症状がみられる場合は、HDDの故障の可能性を視野に入れてみてください。

なお、HDDの交換は不用意に行うとデータが全消去されてしまうリスクがあるため、事前にメーカーサイトや説明書などでHDDの交換方法について調べてから行いましょう。

 

■ネットワークの問題

対処法① IPアドレスの設定を確認する

そもそもNAS自体にアクセスできない場合は、指定しているネットワークのIPアドレスに問題がある可能性があるでしょう。

NASのIPアドレスが問題ないかについては、クライアント側でコマンドプロンプトの「ping」コマンドを打ち込んで試してみるといいでしょう。pingに応答がなければそもそもNASがネットワークに接続できておらず、応答があるのに繋がらない場合はIPアドレスの重複などの原因が考えられます。

NASによっては初めてネットワークに接続したときにIPアドレスを自動設定してくれる機能が付いているものもあり、そうした機能が原因で「思っていたIPアドレスとは別のものでネットワークに接続されていた」ということが起こることもあります。

 

対処法② LANケーブルの接続を確認する

もしNAS自体がネットワークに繋がれていない場合、LANケーブルの接続を確認してみると良いでしょう。正常にネットワークに繋がるパソコンのLANケーブル等と交換してみたり、LANケーブルがキチンと差さっているか確認してみてください。

 

■アカウント設定やアクセス権限の問題

対処法① ログインアカウントのIDとパスワードを確認する

もし共有フォルダにアクセスした際のアカウント認証が突破できないという場合は、NASで設定しているアカウントのIDとパスワードが間違っている可能性等が考えられます。

NASで共有フォルダにログインする際に使うアカウントは、NASのWEB管理画面で設定することができます。管理用のアカウント(説明書に初期設定のIDとパスワードが記載されていることが多いです)を使ってWEBの管理画面にログインして、アカウント設定に間違いがないかを確認してみるといいでしょう。

 

対処法②アクセス権限の設定が間違っていないか確認する

もし「NASはネットワークに繋がっているが、共有フォルダにはアクセスできない」という場合は、NASで作成した共有フォルダのアクセス権限で問題が起きていないか確認しましょう。

例えば作成したフォルダにアクセスできるユーザーを間違って設定していたりすると、当然ですがそのユーザーで共有フォルダにアクセスすることができなくなります。

 

対処法③既に別のアカウントでログインしていないか確認する

複数アカウントを作成しているNASではついつい引っかかってしまいがちですが、基本的に同じ共有フォルダ内では2つ以上のアカウントで同時にログインすることは不可能です。

例えば「Aユーザー」でログインした後に「Bユーザー」で再度ログインして共有フォルダにアクセスする、という場合は2つのアカウントを使用していることになるためエラーが発生してしまいます。

もし前回ログインしたアカウントと別のアカウントでログインしたい場合は、コントロールパネルにあるWindowsの資格情報マネージャーから登録されてあるユーザーIDとパスワードを削除しましょう。

 

■クライアント側の設定の問題

対処法① SMB1.0を有効にする

WIndowsのパソコンでファイル共有を行う際の仕組みとして「SMB(サンバ)」というプロトコルが使用されているのですが、パソコン側でこのSMBの使用許可がOFFになっていると共有フォルダにアクセスできない現象が発生します。

このSMB1.0については「コントロールパネル→プログラムと機能→Windowsの機能の有効化または無効化」の中にある「SMB 1.0」にチェックマークを入れることで使用可能になります。

なお、Microsoftサポートによると、WInodws10(Home, Pro)では15日間SMB1.0が使用されないと自動的にアンインストールされる仕組みとなっているようで、そのため「これまで使えていた共有フォルダが突然使えなくなった」という現象が起こる可能性があります。

 

対処法② ファイルやフォルダが隠しアイテムになっていないか確認する

もし「共有フォルダにはアクセスできるけど、表示されないファイルやフォルダがある」という場合は、該当のファイルやフォルダが隠しアイテムになっていないか調べてみましょう。

Windows10の場合はエクスプローラーの「表示」タブ→「隠しファイル」から隠しファイルの表示のON/OFFが切り替えられるので、隠しファイルを表示する設定にしてファイルやフォルダが表示されるか試してみてください。

 

まとめ:NASにアクセスできない場合の対処法

今回の記事では「NASにアクセスできない場合の対処法」について解説を行いました。NASはネットワークに接続して使用する機器のため、アクセスできない時に「どこが原因でNASが使用できないのか?」ということをしっかりと見極めなければなりません。

もしNASの障害が発生した場合は「NASのping自体が応答しないからネットワークの問題だな」「共有フォルダは表示されるけどログインが出来ないからアカウント関連の問題だな」というように、症状から原因箇所を推測していくといいでしょう。

繰り返しますが、NASの不具合の原因は「ネットワークの問題」「NAS本体の問題」「クライアント側の問題」など幅広いです。中にはNAS本体の故障などユーザー側での解決が難しい問題等もあるので、その場合はメーカーのサポート等に連絡して修理を行ってもらうのがいいでしょう。

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