インターネット関連の記事やニュースを見ていると、「IPアドレス」という言葉が出てくるとことが時たまあります。ネットワークに触れたことのある人なら誰しも知っている「IPアドレス」ですが、あまりパソコンやITに詳しくない人からすると何のことか分からないことも多いと思います。
今回はそんなIPアドレスの中の一つである「グローバルIPアドレス」について、「なぜグローバルIPアドレスが必要なのか?」「プライベートIPアドレスとの違いについて」など詳しく解説を行っていきます。
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グローバルIPアドレスとは?
■インターネットに接続する際に使用するIPアドレスのこと
グローバルIPアドレスはインターネットを使用するために必要なアドレスのことで、名前の通り世界中で使用されているものを指します。このグローバルIPアドレスは全世界共通のもので、各ネットワークで一意なアドレスを使用することによって遠く離れた国同士でもデータを正確に送れるようになっています。
このグローバルIPアドレスは、たくさんの人が利用するインターネットにおいて通信先を特定するために必要な「識別子」のため、同じグローバルIPアドレスが重複して使用されることはありません。
また、このグローバルIPアドレスは「ICANN」という組織が管理を行っています。ただ世界中に43億個もあるIPアドレスを一つの組織で管理するのは到底不可能なため、ICANNに所属している地域ごとの下部組織が実際のIPアドレスの付与等の作業を行うこととなっています。
「データを正確に送るために使われる」とか「番号が重複しない」とかの特性だけを見れば、電話番号の仕組みに似てるかもね。
■ネットワーク単位で割り当てられる
先述したようにグローバルIPアドレスはインターネットを使用する際に割り振られるIPアドレスのことで、基本的に個々のパソコンやスマホではなく、ルーターと呼ばれるインターネットに接続する機械に対して割り振られる形になります。
例えば家庭で契約しているインターネットを例に出します。インターネットを使用する際は必ず「ルーター」という機械を通す必要がありますが、グローバルIPアドレスはそのルーターに対して割り振られており、実際にインターネットを使用するパソコンやスマホには”プライベートIPアドレス”という別のIPアドレスが割り振られます。
そしてパソコンやスマホはルーターを通してインターネットに接続をする際、各々が持つプライベートIPアドレスをルーターが持つグローバルIPアドレスに変換することになります。
なので、グローバルIPアドレスは「ネットワークに接続しているパソコンやスマホなど、個々のデバイスが持つ”プライベートIPアドレス”の上位の存在」と言い換えることもできます。
■IPv4とIPv6の2つの規格が存在する
グローバルIPアドレスには「IPv4」と「IPv6」の2つの規格が存在しています。一番大きな違いは「何通りのIPアドレスが使用できるか?」ということです。
IPv4は「2^32(約43億通り)」で表され、およそ43億通りのIPアドレスを使用することができます。反対にIPv6は「2^128(約43億×43億×43億×43億通り)」で表され、人類すべてが一人10個のIPアドレスを使用しても到底使いきれないほど多くのIPアドレスを使用することが可能です。
現在はIPv4が主流ですが、世界人口の増加やインターネットの普及によって、IPv4で使用できる43億通りのIPアドレスだけでは対応しきれなくなってきています。そうしたIPアドレスの枯渇問題を解決するためにIPv6の規格が発明されたという背景があります。
ただ、現実的にはIPv6に対応するハードがまだまだ普及されていない等、IPv4からIPv6に切り替えが進むにはもう少し時間が掛かると言われています。
【補足】グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスの違い
IPアドレスについては紛らわしくて誤解する方も多いと思うので、念のため「グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスの違い」についても解説を行っておきます。
一般的に「IPアドレス」と呼ばれるものには「①グローバルIPアドレス」と「②プライベートIPアドレス」の2種類に分かれており、前者のグローバルIPアドレスはネットワークに対して割り当てられ、後者のプライベートIPアドレスはネットワークに接続している機器に対して割り振られることになります。
そのため実際に使用するケースとしては、一つのグローバルIPアドレスの中にいくつものプライベートIPアドレスが内包されているという形になります。
よくIPアドレスを「インターネット上の住所」と形容されることが多いですが、例えばマンションで「東京都渋谷区1-1-1 102号室」という住所があった場合、マンション自体の住所である「東京都渋谷区1-1-1」がグローバルIPアドレスで、次の「102号室」がプライベートIPアドレスということになります。
自分が使用しているグローバルIPアドレスを確認する方法
それでは「自分がいま使っているIPアドレスを確認するにはどうすればいいんだろう?」という疑問を解決します。デバイスで使用しているグローバルIPアドレスを確認する方法はいくつかありますが、下記の「インターネットのWEBサイトで確認する方法」が一番簡単だと思います。
①IPアドレス確認サイトにアクセスする。
②画面に表示されているIPアドレスを確認する。
以上です。上記の画面の中に表示されている番号がグローバルIPアドレスとなります。このサイトはPC、スマホの両方共で使用できるので、例えば家庭内のWi-FiにPCとスマホを繋いでみて、両方とも同じグローバルIPアドレスが表示されるかどうか試してみるのもいいでしょう。