【M.2 SSD】SATA型とNVMe型、どちらを選ぶのが正解?

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パソコンのデータを格納する部品である”ストレージ”。最近は殆どのパソコンでSSDが使われるようになり、その中でもサイズの小ささや重量の軽さが理由で「M.2 SSD」という規格の製品がパソコンのストレージとして採用されることが多くなっています。

ただ、M.2 SSDには「SATA型」と「NVMe型」の2種類のタイプが存在しており、パソコンに詳しくなければ「どっちのタイプを積んだパソコンを買ったらいいの?」と悩んでしまうと思います。

この記事ではそうした「M,2 SSDはSATA型とNVMe型のどちらが良いの?」ということについてお伝えしていきます。

 

M.2 SSDのSATAとNVMeってなに? どちらがいいの?

M.2 SSDはパソコンのストレージの種類である「SSD(Solid State Drive)」の一種で、より小さなスペースに搭載することが出来るように開発された規格です。従来の2.5インチSSDに比べると非常にサイズが小型で、ノートPCやミニPCなど容量制限が厳しいパソコンにも搭載することが可能です。

 

ただ、ひとえにM.2 SSDと言っても様々な種類があります。たとえば接続規格の違いとして「SATA」と「NVMe」に分かれ、 どちらのタイプのM.2 SSDを使用するかで性能も全く異なってきます。

最近販売されているパソコンだとNVMe型が主流ですが、旧モデルのパソコンや低価格帯のノートPCなどにはSATA型のM.2 SSDが搭載されている場合も多いので、パソコンの購入時にはNVMe型とSATA型のどちらのSSDが使用されているのかをしっかりと確認しておく必要があるでしょう。

 

M.2 SSDのSATA型とNVMe型の違いについて

■性能が良いのはNVMe型

M.2 SSDのうちSATA型とNVMe型は形こそ似ていますが、性能には大きな差があります。それぞれの転送速度の理論値としては、SATA型が「600MB/s」なの対して、NVMeはその8倍以上の「5,000MB/s」を誇ります。

 

とはいえ上記はあくまで「理論値」のため、実際の転送速度は上記の数値以下に収まります。また、同じ接続規格でも製品のモデルによっても性能が変わってくるため、一般的に販売されているモデルの転送速度としてはSATA型が「550MB/s」程度で、NVMe型が「2,000MB/s」程度となることが多いでしょう。

 

■発熱量が少ないのはSATA型

M.2 SSDのうちNVMe型は性能こそ高い代わりに発熱量が多いという弱点も抱えています。

本来であればSSDは物理的に稼働する部品が無いため、データの読み書きをする際にディスクの回転が必要になるHDDと比べると発熱量は少ないはずです。

実際にSATA接続の2.5インチSSDなどが一般的に使われていた頃は「SSDは発熱が少ないから基本的に熱対策は不要」と言う意見が主流で、SSDの熱対策を行っていたケースは極めてまれでした。

 

ただNVMe型のM.2 SSDはそうしたSATA接続のSSDに比べて発熱量が多く、本体温度が上昇したまま使用してしまうと、熱による破損や性能低下を引き起こしてしまう可能性が高いと言われています。

また、NVMeには「サーマルスロットリング」という”高温時に性能を下げてこれ以上の温度上昇を防ぐ機能“が搭載されており、せっかくのNVMeのパフォーマンスも十分に発揮できなくなってしまうこともあるでしょう。

 

こうしたNVMe型の発熱問題については、後述する「ヒートシンクの設置」によって対策が行われます。

 

■値段はSATA型もNVMe型も変わらない

意外かもしれませんが、M.2 SSDのうちSATA型とNVMe型の値段はどちらも同じくらいです。数年前までは値段はNVMeの方が圧倒的に高価でしたが、発売から時間が経つにつれてNVMe型は安く入手できるようになり、今ではSATA型でもNVMe型でも値段に大きな違いはなくなっています。

 

ちなみにこの記事を執筆している2022年6月時点では、SATA型とNVMe型共に「1TB:10,000円~」くらいの製品が多いです。半導体の需給等の関係でそれぞれ一時的に値段が上下するものの、以前のようにNVMe型だけ高くなるということは現在だと殆どありません。

 

そのため値段面においては、SATAとNVMeのどちらを選んでも金銭的な負担はほぼ変わらないこととなります。先述した性能や発熱など、他の条件で都合のいいほうを選ぶといいでしょう。

 

【結論】M.2 SSDを選ぶときはNVMe型がおすすめ

上記の点から結論を述べると、M.2 SSDを選ぶ時はNVMe型を購入するのがおすすめです。

 

M.2 SSDのSATA型とNVMe型の違いについて説明すると、

■性能→NVMe型のほうが圧倒的に転送速度が速い

■発熱→SATAはほとんど発熱なし。NVMe型は発熱が大きいが、対策は容易

■金額→SATA型もNVMe型も値段はほとんど同じ

 

という結果となり、総合的に言うと「転送速度は速いが、発熱(対策可能)は多いNVMe型」Vs.「転送速度は遅いが、発熱は少ないSATA型」となり、両方の価格帯が同じくらいということを考えればNVMe型を選んで冷却対策を施して使用するのがおすすめでしょう。

特殊な事情(HDDのパソコンをSSDに換装したい、パソコンにM.2のソケットが無い等)が無ければ、性能も良くて価格もSATA型と変わらないNVMeを選ぶのがコストパフォーマンス的にも正解だと言えます。

 

【補足】NVMe型はヒートシンクによる温度対策を推奨

補足ですが、NVMe型のM.2 SSDを使用する際はヒートシンクを設置しておくことをおすすめします。ヒートシンクは冷却用の部品で、熱を持ちやすい部品に張り付けることで、熱を吸収して外に逃がす役目を持っています。

 

先述した通りNVMe型は性能が高い代わりに発熱量も多くなっているため、ヒートシンク無しの場合はSSD本体の温度が高くなってしまいがちです。

一般的にSSDの適正温度は50度以下と言われており、もし本体温度が60度以上になると故障や性能低下が起こるリスクが上昇してしまいます。

 

ちなみにM.2 SSDのヒートシンクはAmazon等の通販サイトで1,000円程度出せば購入することが可能です。設置方法もパソコン内部にあるM.2 SSDの上にヒートシンクを張り付けるだけなので非常に簡単です。

ただ、大きいヒートシンクだとパソコン内部に収まりきらない可能性があるため、あらかじめM.2 SSDの上部にどれくらい隙間があるのかを測っておくといいでしょう。

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