こんにちは、バニラアイスです。
今日の外務員試験の5択問題対策は【債券業務編②】となります。
今回は①利回り計算(直接利回り、応募者利回り、所有者利回り、最終利回り)、②経過日数、経過利子の計算、③受渡代金の計算の3点を解説していきます。
見出し
利回り計算(直接利回り、応募者利回り、所有者利回り、最終利回り)
まず利回り計算について始めに理解していただくことがあります。
上記の利回り計算の種類ですが、直接利回りを除いた応募者利回りと所有者利回り、最終利回りの計算方法は全て同じです。
参考書ではそれぞれの公式を覚えろと記載されていますが、その必要は一切ありません。
どれか1つの公式さえ覚えていれば、ほかの計算にも代用できるものなので、時間をかけて3種類もの公式を覚えないようにしましょう。
今回も時間短縮のために応募者利回りだけ解説していきます。
問題① 直接利回り
発行価額額面100円につき103円、利率年1.5%、償還までの期間が5年間の中期国債の直接利回りについて正しいものの番号を選びなさい。
なお、答えは小数点第三位以下を切り捨てること。
1 1.45%
2 1.56%
3 1.64%
4 1.78%
5 1.86%
解説
正解:1
*****計算*****
【公式】直接利回り=(利率÷購入価格)×100
(1.5÷103)×100=1.45%
*****考え方*****
直接利回りについては、よく応募者利回りなどの計算方法と間違える人がいます。
それを狙ってか、問題文には応募者利回りなどでも計算できるように「期間」や「額面金額」の必要ない情報が載っています。
直接利回りで必要になるには「利率」と「購入価格」だけなので注意しましょう。
問題② 応募者利回り
発行価額額面100円につき101円、利率年1.4%、償還までの期間10年の長期国債の応募者利回りとして正しいものの番号を1つ選びなさい。
なお、答えは小数点第3位以下を切り捨てること。
1 0.97%
2 1.14%
3 1.28%
4 1.35%
5 1.55%
解説
正解:3
*****計算方法*****
【公式】応募者利回り={利率+(償還価格-発行価格)÷償還期限}÷発行価格×100
① (償還価格-発行価格)÷償還期限を計算する
(100円-101円)÷10年=-0.1
② 利率と①の計算結果を足し合わせる
1.4+(-0.1)=1.3
③ ②の結果を発行価格で割り、100を掛けて%に直す
1.3÷101=0.0128×100=1.28%
*****公式の覚え方*****
既に書きましたが、この応募者利回り、所有者利回り、最終利回りの3つは公式を使いまわすことができます。
公式の基本の形は一緒で、語句だけが違う形なので、
とりあえず以下の公式を覚えて、問題に応じて変換しましょう。
例えば上記の応募者利回りの計算では、売却価格=償還価格、入手価格=発行価格と考えましょう。
この公式1つ覚えていれば3種類の計算に対応することができるので、大幅な時間短縮になるでしょう。
経過日数、経過利子の計算
問題③ 経過日数の計算
以下のように利付国債を売却した場合、経過利子を計算する際の経過日数について正しいものの番号を1つ選びなさい。
直前の利払い日 | 2019年6月10日 |
約定日 | 2019年10月2日 |
受渡日 | 2019年10月3日 |
次の利払い日 | 2019年12月10日 |
1 111日
2 112日
3 113日
4 114日
5 115日
解説
正解:5
*****解き方*****
6月→20日(利払い日の翌日の11日から30日まで)
7月→31日
8月→31日
9月→30日
10月→3日(受渡の当日も算入する)
20日+31日+31日+30日+3日=115日
経過利子の経過日数は、直前の利払い日の翌日~受渡日です。
この場合だと6月11日~10月3日までの間の利子を受け取れるというわけです。
*****豆知識*****
この問題で頭を悩ませるのが、「あれ、9月とか10月って何日あるんだっけ?」となることです。
月の日数なんて正確に言える人なんて少ないですよね。言えて日常生活でメリットがあるわけでもありませんし。
そんな時は「西向く侍(二四六九士)」と覚えましょう。2月、4月、6月、9月、11月は31日に届かない月なので、これを覚えておけば日数の計算は簡単です。
特にうるう年の入る2月は通常28日なので、「西向く侍」さえ分かれば「あー、31日無いのが西向く侍なんだな!」と分かります。
問題④ 経過利子の計算
ある個人が利年率2.0%、額面100万円の国債を売付けた場合で、経過日数が89日だった場合の経過利子に関する記述として正しい選択肢を選びなさい。
なお、答えは小数点以下を切り捨てること。
1 経過利子の額は4,876円であり、売却代金から経過利子が差し引かれる。
2 経過利子の額は4,486円であり、売却代金から経過利子が差し引かれる。
3 経過利子の額は4,876円であり、売却代金に経過利子が加えられる。
4 経過利子の額は4,486円であり、売却代金に経過利子が加えられる。
5 経過利子の額は4,342円であり、売却代金に経過利子が加えられる。
解説
正解:3
*****計算方法*****
経過利子の額=1年あたりの利子×(経過日数/365日)
①1年あたりの利子
100万円×0.02=20,000円
②経過利子
20,000円×89日/365日=4,876円
*****考え方*****
経過利子は1年あたりの利子額に経過日数を掛けて、それを365日で割れば求めることができます。
利年率というのは1年あたり貰える利子の率を表しており、この問題だと1年で元本100万円につき2%の利子の20,000円が手に入るというわけです。
そして、問題では89日間この国債を所持していたということなので、受け取ることができる利子は1年(365日)のうち89日です。
なので1年間の利子である20,000円のうち89日分だけ受け取ることができるので、89日をかけて365日で割りましょう。
受渡代金の計算
問題⑤ 受取代金の計算
ある個人が額面100万円の長期利付国債を取引所取引により単価103円で購入したときの受渡代金として、正しいものの番号を1つ選びなさい。
なお、経過利子は1,200円、委託手数料は額面100円につき30銭(消費税8%を考慮すること)で計算すること。
1 1,024,670円
2 1,032,860円
3 1,034,440円
4 1,038,460円
5 1,046,870円
解説
正解:3
*****計算*****
【公式】
受渡代金(買い手)=売却価格+経過利子+委託手数料(消費税込み)
受渡代金(売り手)=売却価格+経過利子-委託手数料(消費税込み)
①売却価格
100万円×103円/100円=103万円
②経過利子
1200円
②委託手数料の計算
100万×(0.3/100)×1.08=3,240円
③受渡代金
103万円+1,200円+4,440円=1,034,440円
*****考え方*****
この問題で重要なのが、問題文で指定されているのが買い手か売り手かということです。
売却価格と経過利子、委託手数料は問題文にヒントがたくさん載っているので、一連の流れさえ分かっていれば簡単に解けます。
ただ、この問題では買い手と売り手で計算方法が違ってくるので、そこだけ理解しておきましょう。
買い手は国債の購入費として相手方に支払いますが、売り手は国債の売却費として相手方から受け取ります。
なので委託手数料についても扱いが変わり、買い手の場合は支払う購入費に上乗せされ、売り手の場合は受けとる売却費から引かれます。
買い手の場合は買付けの支払代金に委託手数料が上乗せされ、売り手の場合は売付けの受取代金から委託手数料が差し引かれるという訳です。
本番の試験では問題をしっかり読むことが重要です。
まとめ
債券業務の5択問題の解説は終了です。
今回は利回りや受渡代金の計算等がありましたが、勉強の助けになってでしょうか?
もし分からないところなどがあれば、コメント欄に書き込んでいただけると返信いたします。
次は【投資信託及び投資法人に関する業務】を解説するので、そちらもお読みいただければ幸いです!
*****次回*****