【解説】信頼できる安全なフリーソフトを選ぶコツとは?

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フリーソフトを使う際、無料である反面、ウイルス感染やデータ漏洩といったセキュリティリスクが伴うことがあります。特に企業での使用や、個人情報を含むPCでの利用には慎重さが求められます。

本記事では、フリーソフトの危険性を解説するとともに、信頼できるフリーソフトを選ぶための方法や安全に使用するためのポイントを詳しく説明します。

フリーソフトは危険なものなのか?

パソコンで使用できるフリーソフトは、無料で使える反面「ウイルスとかセキュリティの問題が無いか心配だな…」と思う方もいらっしゃると思います。

結論として、確かに有償のソフトウェアと比較するとフリーソフトはセキュリティのリスクは高いです。実際にフリーソフトが原因でウイルスやマルウェアに感染したりする事例が何件もニュースになっていたりします。

ただ、フリーソフトもすべてが危険という訳ではありません。詳しくは後述しますが、信頼できるサイトから入手したり、ダウンロード時にセキュリティスキャンを行ったりすることで、使用時にマルウェアに感染したりするリスクを抑えることが出来ます。

この記事では「フリーソフトの危険性」および「安全なフリーソフトを見つける方法」について説明していきますので、フリーソフトを使用する際にはぜひご一読ください。

 

フリーソフトにはどういう危険があるのか?

1. セキュリティリスク

  • マルウェア感染: フリーソフトには、ウイルス、スパイウェア、ランサムウェア、トロイの木馬などの悪意のあるプログラムが含まれている可能性があります。これは開発者が意図して仕組んだ場合もありますし、第三者が本物のフリーソフトを模して作った偽ソフトの場合もあります。
  • バックドアの存在: 一部のフリーソフトには、悪意のある第三者がシステムにアクセスするための「バックドア」が含まれていることもあります。例えば2024年には有名な圧縮ソフトである「XZ Utils」にバックドアが仕込まれていたことが分かり話題になりました。
バニラ
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実際にフリーソフトにマルウェアが仕組まれていて被害が出た…というのは何件も実例があります。

2. データ漏洩リスク

  • 個人情報の収集: フリーソフトの一部は、ユーザーの同意を得ずに個人情報や利用状況を収集し、第三者に提供することがあります。この情報が不正に利用されると、例えばメールアドレスが流出してフィッシングメールの被害に遭うなどの可能性があります。
  • クラウド同期の危険性: 一部のフリーソフトは、データをクラウド上に自動的に保存したり同期したりする機能があります。この際、適切な暗号化やセキュリティ対策が行われていないと、フリーソフトで保存した情報が外部に流出するリスクがあります。
バニラ
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フリーソフトの中には、本来必要ないはずの通信を外部のサーバと行っていたりするものを存在します。そうしたものはユーザ側でも情報が抜かれていることに気づきにくいので注意が必要です。

3. バグやサポートのリスク

  • バグやクラッシュの可能性: フリーソフトは開発リソースが限られていることが多く、商用ソフトに比べて品質や安定性が低い場合があります。例えばバグによってPCのリソースを過剰に消費してしまうなど、PC本体の動作に意図せず影響を与えてしまう可能性もあります。
  • サポートの欠如: フリーソフトは、商用ソフトウェアのように専用のサポートチームがいない場合が多く、トラブルが発生しても迅速な対応を期待できません。問題が生じた場合、ユーザー自身で解決する必要があり、時間やコストがかかることがあります。
バニラ
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ソフトが原因でPCに異常が起こった場合でも、フリーソフトの場合は誰にも対応してもらえないのが痛いところです。もしフリーソフトを使うなら、何かあった時に自分でトラブルシューティングが出来ないといけません。

4 広告やバンドルソフトのリスク

  • 危険な広告が表示される: 一部のフリーソフトには広告が表示されることがあります。マルウェアやウイルスに比べると危険度は低いですが、広告の中には「クリックするとフィッシングサイトに誘導する」など危険な広告も存在します。
  • 不要なバンドルソフトのインストール: フリーソフトのインストール時に、別のフリーソフトがインストールされてしまうことがあります。よくあるのが、「McAfee」などのセキュリティソフトを追加でインストールするように要求されたりする等ですね。
バニラ
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インストール時に「次へ」ボタンを連打してると気づいたら変なソフトがインストールされていた、などということもあります。インストール時にはしっかりと画面を確認してからボタンを押さないといけないです。

安全なフリーソフトを選ぶコツ

1. 信頼できるダウンロード元を選ぶ

  • 公式サイトを利用する: フリーソフトは可能な限り開発元の公式サイトからダウンロードするようにしましょう。公式以外のサイトからダウンロードすると、ソフトに悪意のあるプログラムが含まれている可能性があります。
  • 信頼性の高い配布サイトを使用する: 開発者の公式サイトが存在しない場合はフリーソフトの配布サイトを使用することになりますが、その中でも窓の杜Vectorなどの配布サイトはアップロードされているフリーソフトに対してウイルスチェックを行っているので、上記サイトからダウンロードしたフリーソフトについてはある程度安全だと言えます。

2. ユーザーレビューや評価を確認する

  • 他のユーザーのレビューを見る:ダウンロードするフリーソフトが信頼できるかどうかは、インターネットに存在する他のユーザーのレビューを見ることでも確認できます。基本的に使用しているユーザが多ければ多いほど、そのソフトは信頼できます。ただ反対にインターネットを検索してもほとんど情報が出てこないフリーソフトや、情報が出てくるが否定的なレビューが多いフリーソフトは使用しない方が良いでしょう。

3. ウイルススキャンを行う

  • ウイルス対策ソフトでスキャンを行う: フリーソフトにはウイルスやマルウェアが含まれていることもあるため、使用する前にウイルス対策ソフトでファイルをスキャンするというのも有効です。
  • WEBのウイルスチェックサービスでスキャンを行う: もし自身のパソコンにウイルス対策ソフトがインストールされていない場合は、ネットで「ウイルスチェック」などと調べていただくとファイルをアップロードしてウイルスチェックが出来るようなサービスがいくつか出てくるので、そちらを使用するのもいいでしょう。

4. ソースコードの公開状況を確認する

  • オープンソースであるか確認: オープンソースのフリーソフトは、ソースコードが公開されていて、誰でもその中身を確認できます。そのため悪意のあるコードを開発者が仕組むのは難しくなるため、オープンソースのソフトであれば信頼性は多少向上するでしょう。
  • 開発者について確認: 開発者の過去のフリーソフトの開発履歴なども確認してみるといいでしょう。いくつものフリーソフトを開発している実績があるのであれば、そのフリーソフトへの信頼性は高いと判断できます。

5. インストール時に注意する

  • 不要なオプションを確認する: 一部のフリーソフトは、インストール時にアドウェア(広告表示ソフト)やセキュリティソフトなどを追加でインストールしようとします。インストール時に「次へ」を連打しているとこうした不要なソフトウェアのインストールに引っかかってしまうので、インストール時はしっかり画面の説明を読むようにしましょう。
  • ソフトの権限を確認する: インストール時に要求される権限(例: 管理者権限やネットワークアクセス)を確認します。特にレジストリを書き換えるようなソフトの場合は管理者権限を要求される場合も多いですが、それ以外の場合で管理者権限を要求してくるソフトは注意が必要です。

6. 定期的なアップデートが提供されているか確認する

  • 最終アップデート日時を確認: 安全性を確保するためには、フリーソフトが定期的にアップデートされていることが重要です。公式サイトなどから「最終アップデート日時」を確認して、もし数年間アップデートがされていない等であれば注意が必要です。
  • サポートが提供されているか確認: 無料のソフトウェアでも、ユーザーサポートがあるかどうかを確認しましょう。個人開発のフリーソフトの場合はサポート体制があることは殆どありませんが、企業が開発したフリーソフトであれば、問い合わせ窓口が存在することもあります。サポートがあるのであれば何かあったときもすぐに連絡できるので安心と言えます。

7. マルウェアに感染しても大丈夫なPCで実行する

  • 安全な環境でテスト: フリーソフトの脅威としては「マルウェアに感染してしまう」「個人情報を抜かれる」などがありますが、逆に言えばマルウェアに感染しても問題ない端末や個人情報を含んでいない端末で実行すれば、もし問題のあるフリーソフトを実行してもそこまで被害は大きくなりません。

8. プライバシーポリシーを確認する

  • データ収集の有無を確認: ソフトウェアのプライバシーポリシーを確認し、個人情報や利用情報がどのように扱われるかを把握します。もしソフトの動作に必要ないはずの個人情報が収集されているようなら、そのフリーソフトの使用は控えた方がいいでしょう。
 

安全なフリーソフトを選ぼう

今回の記事では「フリーソフトの危険性」および「安全なフリーソフトの見分け方」について説明をさせていただきました。

フリーソフトは有償のソフトと比べてセキュリティが低く、中にはウイルスやマルウェアが仕組まれているものも存在します。ただ、事前に信頼できるサイトからソフトをダウンロードしたり、使用前にウイルススキャンを掛けたりすることで、安全なフリーソフトのみを選んで使用することも出来ます。

反対に「よく知らないサイトからフリーソフトをダウンロードした」や「ダウンロードしたソフトをそのまま実行した」などと言う場合、気づいたらウイルスやマルウェアに掛かっている可能性も低くありません。

そのため、もし「〇〇のフリーソフトを使いたい!」となった場合でも、すぐに気になったフリーソフトをダウンロードするのではなく、そのソフトが本当に信頼できるものなのか調査してから使い始めることを推奨します。

 

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