インターネットで配賦されているソフトウェアをダウンロードする時に「シェアウェア」という言葉を見たことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
似たような言葉に”フリーウェア”という言葉があるため「フリーウェアみたいなソフトの配布形態の一つなのかな?」と推測できると思いますが、シェアウェアの正式な意味をご存じの方は少ないと思います。
この記事では「シェアウェアとは何か?」や「シェアウェアとフリーソフトの違い」「シェアウェアを使用するメリット」などについて解説を行っていくので、シェアウェアについて気になっている方はぜひ参考にしてください。
見出し
シェアウェアとは?
それでは、まずは「シェアウェアとはどのようなソフトウェアなのか?」について解説を行っていきます。
シェアウェアは「試用体験後に料金を支払う」もの
シェアウェアとはソフトウェアの配布形態の一つで、「新規ユーザーにソフトウェアの無料試用期間を提供し、試用期間の終了時にライセンスの購入を求めるソフト」を指します。要は「体験版を使ってみて気に入ったら購入してね!」というタイプのソフトウェアのことですね。
なお、シェアウェアの「シェア(共有)」とは、上記のような「購入してもらう前にユーザーに共有して使用感を確かめてもらう」という意味を指しています。
かなりPCに詳しい人でなければ「シェアウェア」という言葉は聞いたこともないと思いますが、一般的にあまり知られていないだけでシェアウェアに分類される有名なソフトはたくさん存在しています。
代表的なシェアウェアとしては圧縮・解凍ソフトの「WinZip」や「WinRAR」、セキュリティソフトの「ウイルスバスター」や「Norton」などがあります。
シェアウェアとフリーソフトの違い
シェアウェアとフリーソフトの最大の違いとしては「ソフトの継続使用に料金がかかるかどうか?」ということです。
基本的にはシェアウェアでは有料ソフトウェアが中心で、試用期間終了後にも使い続けるにはライセンスの購入が必要です。試用期間後にライセンスを契約しない場合、ソフトが起動できなくなったり、一部の機能が制限されたりすることが多いです。
対してフリーソフトは基本的に期間を問わず無料で使用することが可能です。シェアウェアと違い「有料版のライセンスを購入しなければ一部機能が使用できない」ということは無いので、試用期間終了後に突然ソフトが使えなくなる等のこともありません。
シェアウェアのメリット
では、ここからはシェアウェアのメリットついて紹介を行っていきます。
シェアウェアは先述したとおり「試用期間が終了した後に購入を要求されるソフト」のことですが、普通の有料ソフトやフリーソフトに比べるとどのようなメリットがあるのでしょうか?
メリット① 実際に使用してみてから購入を検討できる
シェアウェア型のソフトウェアを使用する一番のメリットが「実際に体験版で使い勝手を試してから購入するかどうか検討できる」ということです。
シェアウェア以外のソフトウェアの場合、購入するまで実際の画面や機能を触ることが出来ないため、実際に購入した後に「思っていたのと違った…」となることも少なくありません。
シェアウェアであれば一通りの機能を試してから購入するかどうか決断できるため、上記のようなミスマッチが起こりにくいというのがメリットです。
メリット② フリーソフトに比べて多機能で信頼性が高い
シェアウェアは基本的に有料ソフトとなるため、フリーソフトよりも機能面で優れていることも多いです。
また、シェアウェアは継続的なアップデートが行われている場合も多いため、ソフトウェアで不具合や脆弱性が発見された場合もアップデート等で対応してもらえるというメリットもあります。
フリーソフトの場合だと作者が更新を停止した場合は不具合や脆弱性が修正されなくなってしまうので、そうしたフリーソフトに比べると有料のシェアウェアの信頼性は高いと言えます。
メリット③ フリーソフトより安全性が高い&サポートが充実
フリーソフトについては個人単位で開発をしているためどうしてもセキュリティ対策は甘くなりがちですが、シェアウェアでは企業単位で開発を行っているためセキュリティ対策についても強固な傾向にあります。
加えて、フリーソフトの場合は使用によって生じた損害は基本的に使用者の責任になります。例えば「フリーソフトのプログラムに問題があって被害を受けた」となった場合も自己責任となるので注意が必要です。
また、ソフトウェアを使用していると操作などが分からず困ってしまうこともあると思いますが、シェアウェアではそうした際のサポート窓口などが存在することも多いです。フリーソフトでは個人開発のためサポート窓口がないケースが大半ですが、シェアウェアは有料ソフトなのでサポート体制もしっかりしていることが殆どです。
シェアウェアの代表例を紹介
では、ここからは実際のシェアウェアの代表例について見ていきましょう。
① ウイルスバスター(セキュリティソフト)
ウイルスバスターはトレンドマイクロ社が開発・運営するセキュリティソフトです。他に有名なセキュリティソフトでは「Norton」や「ESET」「McAfee」「カスペルスキー」などがありますが、それらと違いウイルスバスターは日本企業のトレンドマイクロ社が提供しているという特徴があります。
ウイルスバスターでは30日間の試用期間が用意されており、この期間中であれば無料で使用できますが、試用期間後は有料版のライセンスを購入しない限り全機能が使用不可能になります。
基本的にシェアウェアではこうした「試用期間中の〇日間は無料で使用でき、以降も使用するためにはライセンスの購入が必要」というケースのソフトが大半です。
② WinRAR(圧縮・解凍ソフト)
WinRARはファイルの圧縮・解凍ソフトです。現状Windowsでrar形式の圧縮が出来るソフトはWinRARしかないので、圧縮・解凍ソフトの中でも非常にシェア率は高いです。
なお、WinRARには40日の体験期間が設定されていますが、もし体験期間が過ぎても購入を促すポップアップが出てくるだけなので、ポップアップを無視すれば引き続き全機能を無料で使用可能です。
WinRARについては公式が「WinRARはフリーソフトではない」と言っているため本来有料のソフトウェアになりますが、上記のように無料で使用することも出来ます。
なお、有料ソフトでこのように「試用期間終了後も無料で全機能を使用できる」というのは非常に珍しく、WinRAR以外では殆どありません。
まとめ:実際に使用してから料金を払うのが『シェアウェア』
この記事ではソフトウェアの販売形式の一つである「シェアウェア」について解説を行っていきました。
シェアウェアとは「新規ユーザーにソフトウェアの無料試用期間を提供し、試用期間の終了時にライセンスの購入を求めるソフト」のことを指し、基本的に試用期間が終わるとライセンスを買うまでソフトが使用できなくなることが多いです。
フリーソフトとの違いとしては「ソフトの継続使用に料金がかかるかどうか?」です。
シェアウェアでも試用期間中は無料で使うことが出来ますが、試用期間が終わると有料になってしまいます。対してフリーソフトは無期限で無料でソフトウェアを使用することが出来るので、ソフトの継続使用に料金が必要かどうかが一番の違いです。
この記事で説明している通りシェアウェアの使用にはお金がかかってしまいますが、その分フリーソフトに比べて多機能だったりサポートが受けられたりするため、安心して使用できると思います。
先述したとおりシェアウェアでは購入前に試用期間でじっくり機能を調査できるため、もし実際に使用してみて使いやすいと感じたシェアウェアがあったら購入してみるのもいいでしょう!