WindowsのPCに搭載されている「Windowsファイアウォール」は、ウイルスやマルウェアなどからの悪意を持った通信を遮断するための機能です。
この機能があることで外部からの不正な通信を防ぐことが出来るためPCのセキュリティが向上しますが、代わりに本来必要な通信まで遮断してしまうこともあります。
特に通信先の疎通確認によく使われる「ping」コマンドについても、上記のようにWindowsファイアウォールが有効になっていると応答が返ってこなくなります。
この記事では上記のように、Windowsファイアウォールでpingが無効化されている場合の対処法について解説を行っていきます。
見出し
Windowsファイアウォールではデフォルトでping通信が拒否される
まず「WIndowsファイアウォールが有効になっているパソコンはpingの応答が返ってこない」問題ですが、これはWindowsファイアウォールの既定の設定で「有効時はpingの通信を遮断する」という仕様になっているためです。
この仕様になっているのは、もしサイバー攻撃等でネットワークに侵入された場合、pingの通信に応答するようになっていると「そのIPアドレスを使用しているホストが実在すること」を攻撃者に知られてしまい、その後の感染拡大の足掛かりになってしまうためです。
そのためping通信を許可するようにするのは多少リスクがありますが、他にセキュリティソフトが入っているなら不正な通信はそちらで防御することも出来るので、もし必要であればこの記事で紹介する方法でping通信を許可しても問題ないでしょう。
Windowsファイアウォールでping通信が遮断される場合の対処法
それでは、ここからはWindowsのファイアウォールでping通信を許可する方法を2つ紹介します。
それぞれざっくりと解説すると「Windowsファイアウォール自体を無効化する」か「Windowsファイアウォールを有効にした状態でpingの通信だけ許可する」という2択ですが、前者の場合はping以外も許可されるようになってしまうため後者の方がおすすめです。
対処法1 Windowsファイアウォールを無効化する(非推奨)
ping通信を拒否しているのはWindowsファイアウォールの設定なので、そもそもWindwosファイアウォール自体を無効化すればping通信も出来るようになります。
実際の手順としては下記の通りです。
手順① 「Windowsキー」と「Rキー」を押して、「firewall.cpl」と入力する
手順② 画面左端の「Windows Defender~」という部分をクリックする
手順③ 「Windows Defender ~ 無効にする」のすべてを選択してOKボタンを押す
これでWindowsファイアウォールを無効化することができ、ping通信も通るようになります。
ただしこの方法だとping以外の通信も許可されてしまうため、セキュリティ上あまり良くはありません。そのため可能であれば後述する「Windowsファイウォールでping通信を許可する」の方で設定を行うことを推奨します。
また、Windowsファイアウォールは無効の状態にすると定期的に「Windowsファイアウォールを有効にしてください」という通知が出てきて厄介で、通知に従って有効にしてしまうと再度pingの通信が通らなくなってしまいます。そのため、こちらの方法だと確実性が低いため非推奨です。
対処法2 Windowsファイアウォールでping通信を許可する(推奨)
では次に、Windwosファイアウォールでping通信を許可する手順について解説を行います。
この方法であればWindowsファイアウォールを有効にしたままping通信のみを許可設定にすることが出来るため、ping以外のポートは従来通り防ぎつつpingのみ通信を有効に出来ます。
手順① 「Windowsキー」と「Rキー」を押して、「firewall.cpl」と入力する
手順② 画面左端の「詳細設定」をクリック
手順③ 「ファイルとプリンターの共有~(ICMPv4受信)」をすべて右クリックで「有効化」を行う
これで設定は終わりです。この状態で設定を行ったパソコンにpingによる通信を試してみていただいてpingの応答があれば無事設定は完了です。
なお、上記は「192.160.0.1」のようにipv4アドレスでpingの通信を行う場合の許可設定です。もしipv6で通信を行う場合は、上記で「ファイルとプリンターの共有(エコー要求 – ICMPv6受信)」という場所を有効化してください。
現在Windowsファイアウォールが無効になっている場合、先ほど紹介した「WIndowsファイアウォールを無効化する」と逆の手順で、Windowsファイアウォールを有効化にしておきましょう。