古いパソコンを新しいパソコンに買い替えたときなど、Thunderbirdに保存されているデータを他のパソコンに移行したいということがあると思います。
ただ、スマホ等のデータ移行に比べてパソコンのデータ移行は難しいので、「古いパソコンのデータを新しいパソコンにデータを移したいけど、やり方が分からない……」という方も多いでしょう。
今回は、そんな「Thunderbirdのデータ移行のやり方」について解説を行います。Thunderbirdのデータ移行のやり方が分からない方は是非参考にしてみてください。
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Thunderbirdのデータ移行について
データ移行をしない場合はどうなる?
パソコンの買い替え等で「旧パソコン→新パソコン」にThunderbirdのデータを移したい場合、旧パソコン内部に保存されている「プロファイル」と呼ばれるデータファイルを新パソコンに移すことでデータの移行が完了します。
ただ、Thunderbirdではデータの移行を行わなくても新しいパソコンでメール自体の使用は可能です。その場合はThunderbirdのインストール時に行ったメールアドレスの認証を新しいパソコンで行えばいいだけなので、引継ぎの手間も一切かかりません。
しかし、データ移行を行わない場合はローカルに保存されているデータは全て消去されます。
例えばローカルフォルダに保存しているメールや、連絡先、設定など、ほぼすべての内容が初期化されてしまいます。
どちらがいいのかについては人それぞれですが、個人的にはデータ移行を行った方が良いと思います。データ移行をしなければ連絡先の再登録や設定の変更など時間のかかる作業が増えてしまうので、結果的に「データ移行をする方が早かった」ということになる可能性も高いでしょう。
データ移行で引き継ぐことが出来る内容
では、Thunderbirdのデータ移行で「引き継げる内容&引き継げない内容」にはどのようなものがあるのでしょうか?
結論から言うと、データ移行を行った場合はほぼすべての内容を引き継ぐことが可能です。
例としては「メール」「連絡先」「署名」「メッセージフィルター」「設定内容」などが引き継ぎ可能です。移行前の状態そのままで移し替えることが出来るので、データ移行の作業が終わったらすぐに新しいパソコンでメールを使用できるようになります。
ただしデータ移行の際にThunderbirdのバージョンが更新された場合などでは、バージョンアップの関係で一部の設定内容等が変わってしまうこともあるので、その場合は再度設定を行う必要があります。
プロファイル移行とメール再設定のどちらがおすすめか?
Thunderbirdに関するデータをそっくりそのまま移し替えるプロファイル移行は、少し難しいですがほぼすべてのデータを新しいThunderbirdに引っ越すことが可能です。
反対にメールの再設定は、簡単ですがローカルに保存されてあるすべてのデータが失われることになります。
どちらがいいのかについては人それぞれですが、間違いなくデータ移行を行った方がいいと思います。
メールの再設定では、サーバー上にあるデータ以外は綺麗さっぱりなくなってしまうので、後から「大事なメールが消えてる!」「設定が変わって使いにくくなった!」など不都合が生じてしまう可能性を否定できません。
Thunderbirdのデータ移行のやり方
それでは、ここからは「実際にThunderbirdでデータ移行を行う方法」について解説を行います。データ移行と聞くと難しく聞こえるかもしれませんが、簡単に言うと「エクスプローラーを使って古いパソコンからデータを抜いて新しいパソコンに入れる」だけで終わります。
手順通りに行えばデータ移行を完了することができるので、下記の画像を見ながら移行作業を進めてみてください。
① 旧パソコンのエクスプローラーを起動して「%APPDATA%\Thunderbird\Profiles」と打ち込む
まずはパソコンのタスクバー等からエクスプローラーを開いて「%APPDATA%Thunderbird\Profiles」と入力しましょう。
もしこれでフォルダを開けないなら、インストールファイルの位置をデフォルトから変更しているか、もしくは環境変数が機能していない可能性が考えられます。その場合はエクスプローラーの検索機能を使用してプロファイルの位置を探し出しましょう。
② プロファイルを選んでコピーする(2つある場合は更新日時が新しいものを選ぶ)
古いバージョンのThunderbirdならプロファイルが1つしかない場合が多いですが、比較的新しいバージョンのThunderbirdならプロファイルが2つあることが多いです。
この場合はファイル名の右にある「更新日時」という項目を見て日付が新しい方を選択しましょう。
③ 新しいパソコンにThunderbirdをインストールする(ソフトが起動しても無視してOK)
④ 新しいパソコンのエクスプローラーで「%APPDATA%\Thunderbird\Profiles」を開く
⑤ 旧パソコンでコピーしたデータをこの場所に貼り付ける
⑥ コピーしたデータの名前を、コピー前に存在したファイル名に変更する
なお、②でコピーしたファイルが「〇〇.default-release」だった場合は、上記の画像にある「j8muder7.default-release」に該当するファイル名をコピーします。
⑦ Thunderbirdを開いてメールが認証されていれば成功!
これでThunderbirdのデータ移行は完了です。移行が無事に完了したかの確認としては、Thunderbirdを開いて旧パソコンで使用していたメールアドレスが登録されていたらOKです。
ただ、Thunderbirdのバージョンやパソコンの環境によっては、上記の通りに作業を行っても移行が完了しない場合があります。
失敗する原因としては「コピペしたデータファイルが読み込まれていないこと」が原因である場合が多いです。その場合の対処法は下記に記載しておくので、データ移行が出来ない場合は参考にご覧ください。
Thunderbirdのファイルが認識されない場合の対処法
ここからはデータ移行に使用したプロファイル(データファイル)がThunderbirdで認識されない場合の対処法について解説を行います。
「手順通りに作業したけど、Thunderbirdを開いてもメールアドレスが表示されない」という場合は、プロファイルのコピー後に下記の手順を試してみると治る可能性があります。
①「%APPDATA%\Thunderbird」のフォルダにある「profiles」という構成ファイルを開く
② profilesファイル内の「StratWithLastProfile=0」に変更する
上記の設定項目は「Thunderbirdを開いた時、前回使用したプロファイルを使用する」という内容です。この項目が変更されていないと、データ移行したプロファイルが読み込まれないことがあります。
③ Thunderbirdを開いて適用したいプロファイルを選択する
なお、上記の画像の「default」「default-release」などの名前は、先ほどの「profiles」フォルダーで設定されてある「name=default」で設定されている名前です。
④ Thunderbirdが起動するか確かめてみる
上記の設定が終了したら、Thunderbirdを開いてデータ移行が完了しているか確認してみましょう。Thunderbirdを起動した後に、以前使用していたメールアドレスが表示されていたら成功になります。
データ移行を行う際の注意点
① 旧バージョンへのデータ移行は行わない
Thunderbirdでは過去バージョンのソフトをインストールすることもできます。UIやアドオンの互換性などの点から「新バージョンのThunderbirdは使いにくいから、データ移行するこの機会に古いバージョンへ戻そうかな」と思う方もいらっしゃると思いますが、古いThunderbirdのバージョンにデータ移行をするのは絶対にやめてください。
新しい機能やシステムが追加された新バージョンから旧バージョンにデータを移した場合、最悪のケースだとデータが破損してThunderbird自体が起動しなくなることがあります。
もし、どうしても新バージョン→旧バージョンにデータを移したい場合は「プロファイルの中のメールフォルダや連絡先フォルダなど、バグが出ない最低限のデータだけ移行する」という方法もありますが、パソコンに詳しくないのであればやめておくのが無難です。
② バックアップは取っておく。
データ移行作業において最も重要なのが「移行作業が失敗した場合に備えてプロファイルのバックアップを取っておく」ということです。
バックアップを取るのはどこの場所でも構いません。パソコンの空いているフォルダに突っ込んでも大丈夫ですし、外付けHDDやUSB等の外部ストレージに保存を行ってもOKです。
面倒くさがりな人だとバックアップを取らずに、元ファイルをそのまま移行先のフォルダに突っ込むような人もいます。そのようなケースでは、もし移行作業が失敗してしまうと今までのデータがすべて水の泡になってしまいます。
③ 時間が掛かっても大丈夫な時に行う
Thunderbirdでのプロファイル移行では保存されてあるメールすべてを引き継ぐため、プロファイルに大量のメールがある場合は必然的にデータ容量が大きくなってしまいます。
一通一通のメールであればそこまで容量は大きくありませんが、例えば「PDF等の添付ファイルが付いたメールが多い」「メールの破棄をしていないので沢山のメールがたまっている」などという場合だと、移行データの容量が「数GB~数十GB」にもなってしまうこともあります。
こうなるとファイルのコピーだけでも「数十分~数時間」ほど時間が掛かってしまうことがあるので、できるだけ時間が掛かっても大丈夫な時にデータ移行を行うようにしましょう。
また、使用しているパソコンのスペックに不安がある場合、データのコピー中はあまり下手にパソコンに触らない方がいいでしょう。コピー作業中にパソコンがフリーズしてしまうとデータに破損が生じる可能性もあります。