普段私たちがパソコンのデータを削除する時は「ゴミ箱」の機能を使用してファイルを破棄することが多いと思います。ただ、パソコンに標準で入っているゴミ箱の機能を使用して破棄したデータは、特殊な「データ復元ソフト」と呼ばれるもので復元されてしまうことがあります。
復元されて困るデータを削除する場合は、ゴミ箱ではなくデータ削除ソフトを使用することをおすすめします。この記事ではそんなデータ削除ソフトの選び方や、有料・無料別でおすすめのデータ削除ソフトについて記載していきます。
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データ消去ソフトが必要な状況
状況① パソコンを廃棄/売却するとき
パソコンを廃棄したり売却したりする際は、あらかじめパソコンの内部にあるデータを削除してから手放す必要があります。データを残したままパソコンを廃棄・売却してしまうと、パソコンに残った色々なデータが不正に入手、悪用されてしまう可能性があります。
実際に、十分なデータ消去を行っていなかったことが原因で、廃棄したHDDやSDD等からデータが流出してしまった事件も過去にありました。
単なる画像ファイルやテキストファイルなどであれば問題ありませんが、個人情報やパスワードが残ったままだと金銭的な被害に繋がってしまう場合もあります。パソコンを手放す場合は、必ず事前にデータを破棄するようにしましょう。
状況② データを完全に消去したいとき
普段パソコンのデータを削除する時は「ゴミ箱」を使用している人が多いと思います。
ただパソコンの標準機能である「ゴミ箱」を使用してデータを削除した場合、データを完全に削除することはできず一部は残ってしまいます。そうして残ったデータの一部は「データ復元ソフト」で元に戻すことができる場合もあるので、パソコンのデータを完全に消去するにはデータ削除ソフトを使うのをおすすめします。
ちなみにデータ削除ソフトは有料のものもありますが無料で使えるフリーソフトタイプも存在しています。有料のデータ削除ソフトの方が高機能ですが、無料のものでも十分使うことは可能です。まずは無料のデータ削除ソフトを試してみて、もっと色々な機能を使いたい場合は有料のものを買うと良いでしょう。
データ削除ソフトの選び方
データ削除ソフトには様々な種類があります。おそらくほとんどの方は、初めてデータ削除ソフトを使うときに種類が多すぎて「どのソフトを使えばいいか分からない」と悩むことでしょう。
ここからはデータ削除ソフトの選び方について記載をしていくので、選び方で悩んだ時は参考にしてみてください。
選び方② パソコンのOSに対応しているソフトを選ぶ
選び方③ 削除方式の強さで選ぶ
選び方① 有料/無料のソフトを選ぶ
パソコンのデータ削除ができるソフトには有料のモノと無料のモノが存在しています。
有料ソフトと無料ソフトの違いは色々ありますが、当然ながら無料ソフトよりも有料ソフトの方が高機能なことが殆どです。無料ソフトでも問題ない場合は多いですが、有料ソフトを使った方が安心してデータ削除を行うことが出来ます。
有料のデータ削除ソフトは商品によって価格は様々ですが、一般的に有料ソフトの値段は3,000円~5,000円程度で購入できることが多いです。有料ソフトを使えば安心してデータ削除を行うことが出来ますが、高いと思う場合は無料ソフトを最初に試してみるのも良いでしょう。
選び方② パソコンのOSに対応しているソフトを選ぶ
データ削除ソフトを選ぶときは、現在使用しているパソコンのオペレーティングシステム(Windows7,Windows10など)に対応しているか確認しておくことが大切です。
もし現在Windows10のパソコンを所有していて、使用したデータ削除ソフトの対応OSがWindows7までだった場合、OSが対応していないためデータ削除をしても一部のデータが残ってしまう可能性があります。
特にWindowsの場合、Windows10に切り替わる前に発売・公開されて、以降アップグレードされていないデータ削除ソフトには注意しましょう。有料ソフトの場合は概ねWindows10に対応していますが、フリーソフトの場合だとWindows7までにしか対応していないデータ削除ソフトも存在しています。
選び方③ 削除方式の強さで選ぶ
ひとくちにデータ削除ソフトと言っても様々な種類があり、特にデータ削除ソフトでは「削除方式」の強さが重要になってきます。
データ削除ソフトの削除方式としては、有名どころだと2進数で構成されているデータを全て0に上書きする「ゼロライト方式」や、米国国防総省で採用された「米国国防総省準拠方式(DoD5200.28-M)」などが存在しています。
削除ソフトを用いてデータを消去して場合は、基本的に復元ソフトでデータを復元することは不可能です。ただし「ゼロライト方式」や「ランダムライト方式」などの簡易的なデータ削除方式を用いた場合だと、特殊な残留磁気を読み取る方法を用いることでデータの復元が出来ることもあります。
なのでデータを復元されてしまう可能性を下げたいのであれば、「米国国防総省準拠方式(DoD5200.28-M方式)」や「グートマン方式」などの高度なデータ削除方式を採用しているソフトを使うのが賢明です。
有料のデータ削除ソフト
それでは、ここからはおすすめの有料データ削除ソフトについて紹介を行っていきます。
基本的に有料ソフトでお金が掛かるのは購入時のみで、一度お金を払ったら追加料金は発生することは少ないです。
当然、有料ソフトは無料ソフトに比べて機能性が高いものが多いので、高機能で安全なデータ削除ソフトが使いたい場合は有料のものを購入すると良いでしょう。
『完璧・データ消去3』
Windows10以外にもWindows7,,8,XP,Vistaなどの様々なOSのバージョンに対応しているデータ削除ソフトです。消去方式には高度な「米国国防総省準拠方式」や「グートマン方式」などを含めて8通りの方式を採用しており、安全にデータの削除を行うことが出来ます。
また、HDDやSSD以外にも、USBメモリ/SDカードなどのデータを完全に削除することも可能です。値段もデータ消去ソフトの中でも特に安価で購入できるため、コストパフォーマンスの良い商品と言えるでしょう。
『完全ハードディスク抹消17』
パソコンのOSごと消去できるデータ削除ソフトです。削除方式としては「ゼロライト方式」から「グートマン方式」まで6つの削除方式を選択することが可能なので、万が一にも復元される可能性を無くすることが出来ます。
また、メモリが少ないパソコンでも作動させられるため、ノートPCや昔のパソコンなどでも安定して動作が行われます。そのほかにもCDブート機能も取り入れられているため、電源が入らないパソコンでもデータ削除を実行可能なのもおすすめの点の一つです。
データ削除ソフトとしては、操作方法が使いやすいことで人気を得ているソフトでもあります。パソコンに詳しくない方でも簡単に作業を行えるため、初心者向きのデータ削除ソフトとも言えるでしょう。
『ターミネータ10plus』
OSごと削除することができるデータ削除ソフトの一つです。ハードディスク以外にも、USBメモリ/SDカードなどのデータ消去も可能なので、あらゆる状況で使用できる便利なソフトと言えるでしょう。データの消去方式は「米国国防総省方式」などの10段階の中から選択することができます。
CDブート機能も搭載されているため、壊れて動かないパソコンのデータを消すことも可能。他のセキュリティソフトに比べて少々値段が高いのがネックではありますが、データ削除ソフトの中でもトップクラスに多機能・高性能なためおススメです。
無料のデータ削除ソフト
先ほど有料のデータ削除ソフトを紹介したのに対して、こちらは無料で利用できるデータ削除ソフトとなっています。
有料版に比べたら機能性が劣るものが多いですが、とにかく安く済ませたいという場合は無料ソフトを使うのも選択肢の一つでしょう。インターネット環境だけあれば使用することが出来るので、追加の費用が発生することはありません。
『ERASER』
『ERASER』はスケジュール機能を備えたデータ削除ソフトです。ソフトを起動してすぐにデータの削除を行うことも出来ますが、スケジュールを指定して定期的にデータ削除を行うことも可能になります。
データの削除方式はデフォルトでは最も安全性の高い「グートマン方式」となっていますが、そのほかにも合計13つの削除方式が採用されており、ユーザーはそのうちの一つを選択してデータの抹消を行うことができます。
データ削除ソフトの中ではメジャーな部類に入るため、使い方やトラブルシューティングを記載した記事なども多く、初心者にも扱いやすい消去ソフトだと言えるでしょう。
『wipe-out』
『Wipe-out』はCD-ROMやUSBメモリからCDブートを行うデータ消去ソフトです。このソフトが入ったCDやUSBメモリを入れてパソコンを起動すると専用の画面が起動して、そこからデータの消去を行うことが出来ます。
CDブート方式でデータを削除するフリーソフトなので、パソコンにログインしなくてもデータ削除を行えます。なので、家族が使用していたPCなどのログイン用のパスワードが分かっていなくてもデータ削除を行うことが可能です。
また、各種メディアを用意するのが面倒という場合は、USBメモリ等が無くても動作するバージョンも用意されています。その場合はこちらのページをから作業を行いましょう。
『Free File Shredder』
『Free File Shredder』は手軽に操作できることが特徴のデータ消去ソフトです。基本的にマウス操作だけでデータの削除が可能なので、機械が苦手な方でも使いやすい削除ソフトとなっています。
標準の削除方式は「米国国防総省方式」となっていますが、他にも「ゼロライト方式」や「グートマン方式」を指定してデータの削除を行うことも出来ます。ソフト自体は日本語対応していなく、日本語で使用する場合は有志の方が作った日本語化パッチを適用する必要があります。
まとめ:データ削除ソフトを使えば安心・安全
今回の記事では、データ削除ソフトを使う理由や、無料・有料のデータ削除ソフトについて紹介させていただきました。
普段僕たちがデータの削除を行うときは、パソコンの標準機能である「ゴミ箱」を使用してデータの消去を行うことが多いです。
しかしゴミ箱の機能によって削除したデータは、復元ソフトと呼ばれる専用のソフトを使えば元通りに復元することも出来てしまいます。
なのでパソコンを売却・廃棄したり重要なデータを削除する時には、絶対に復元されないようにデータ削除ソフトを使用するようにすることが大切です。