大学4年間の集大成として作成する卒業論文。これまでの勉強内容の総まとめなだけあって、高いハードルに四苦八苦している大学生も多いのではないでしょうか?「いきなり卒業論文を書けなんて言われても書けないよ……」という方のために、今回は卒業論文のテーマ決めや作法を分かりやすく解説していきます。
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卒業論文とは?
卒業論文とは、簡潔に言うと「大学4年間の研究成果」です。これまで大学で「何を学んだのか」ということを示すために作成するもので、殆どの大学で必修科目(取得できなければ卒業できない単位)となっています。
また、卒業論文とは「社会に貢献するための論文」でもあります。自己満足で終わる文章なら公表する意義は存在せず、する必要もありません。必ず、誰かにとって必要とされる研究でなければなりません。
さすがにノーベル賞でニュースに取り上げられる教授達ほど大それたものは要求されませんが、少なからず社会的に意味のある研究をしなければなりません。明らかに「趣味全開」な卒業論文は認めてもらえない場合も多いでしょう。「書きたいから書く」ということが通用しないのが難しいところですね。
とはいえ、いきなり「卒業論文書いてね(^-^;」なんて告げられても出来るはずはありません。正式に公表される論文なので、授業のレポートと違って高度な作法が求められます。文章一つひとつにもダメな書き方が存在して、何度も書き直しをしながら完成に向かって努力しなければなりません。
ゆえに、「Wikipediaからコピペをして完成させる」という大学生も一定する存在するのが現状です。詳しくは後述しますが、厳しすぎる作法と膨大な内容に心が折れてコピペに手を出し、それが切っ掛けで単位の取り消しに至る人も数多くいます。
必修単位である以上、大学生にとっては避けては通れない道です。しっかりと計画を立てて、万が一にも単位を落とさないように注意しましょう。
いつから始めたら間に合うの?
先述した通り、「未完成=留年」となるケースが多いのが卒業論文です。そのため、「締め切りはいつなのか?」と「どのくらいの期間で完成できるのか?」という2点は非常に大切なことです。きちんとしたスケジュールを立てるためにも、締め切りと作成期間についてしっかりと学んでおきましょう。
締め切りは1月下旬が多い
大学によって多少変化しますが、卒業論文の締め切りで最も多いのは1月下旬までです。4年生の卒業が3月なので、その2ヵ月くらい前に提出を行う流れとなります。
ただ、1月下旬が締め切りだからと言って、正直に1月下旬での完成を目指すのは非常に危険です。なぜなら、1月下旬は担当の教員も忙しくなるためです。卒業論文は所属するゼミの担当教員が評価・指導を行っていくのですが、この時期は入試と被ってしまうため卒業論文の指導を行う時間が取れません。
入試問題の作成、採点、事務処理などなど、大学の教員が最も忙しくなる時期でもあるため、この時期に追い込みをかけるのは危険であると言えます。
また、就職先によっては新生活の準備もしなければなりません。1人暮らしの資金貯め、入居先探し、家具の購入などなど、就職のためにかかる時間は意外と多くなるでしょう。もし可能だとしてもかなりスケジュールを詰めて行わなければならないため、あまりおススメすることは出来ません。
「1月下旬に提出ならまだ大丈夫だ!」と、良くない方向性の余裕を持たないようにしましょう。
完成期間は平均3ヵ月
「マイナビ学生の窓口」によると、卒業論文に懸ける時間は1ヵ月~6ヵ月のケースが多いようです。学生216人に対してアンケートをした結果、次のような結果になりました。
期間 | 人数 | パーセント |
1ヵ月未満 | 42人 | 19.4% |
2ヵ月 | 53人 | 24.5% |
3ヵ月 | 55人 | 25.4% |
4ヵ月 | 27人 | 12.5% |
6ヵ月 | 39人 | 18.1% |
出典:マイナビ学生の窓口より筆者作成
平均を計算すると、3ヵ月が大学生が卒業論文にかける期間となります。最も多いのが3ヵ月で、対して最も少ないのは4ヵ月の大学生でした。興味深いのが、1ヵ月未満の学生と6ヵ月の学生の数がほぼ同数と言うことです。「じっくり取り組む学生」と「集中して短期間で完成させる学生」の割合は殆ど同じという結果になっています。
理想は「夏休みから取り掛かる」こと
平均3ヵ月で終わるのなら、「提出する1月下旬の3ヵ月前にやればいいじゃん!」と思うかもしれませんが、先ほど「1月下旬は担当教員が忙しい」と記述したように、1月下旬での完成を目標とするのは非常に危険です。
また、卒業論文の作成は往々にして予定していたスケジュールを超えるものです。作法が間違っていて書き直す必要が出てきたり、研究内容に行き詰って四苦八苦したりと、執筆を開始する前は思いもしなかったことで時間を取られるようになります。
なので、余裕をもって夏休みから卒業論文の作成を始めるのをおススメします。大学生の夏休みは7月の下旬で、就職活動は6月に終わる人が多いので、時間を持て余しているケースも多くあるでしょう。
7月下旬に始めれば、6ヵ月かかったとしても締め切りの1月下旬には終わる計算です。卒業がかかっている場合が多いため、最悪のケースを想定して早いうちから始めることを推奨します。
どんなテーマで書けばいい?
いざ始めるに当たって、真っ先に躓く人が多いのがこの点です。先ほど「卒業論文は大学4年間の集大成である」と述べましたが、「4年間の集大成って言われても、何を書けばいいか分からねーよ!」という声が多く存在します。
考えてみると当然のことです。少なくとも数ヵ月は研究を行うことになるので、適当に決めたテーマでは完遂することは出来ないでしょう。自分が本当に研究したいテーマでなければ、何ヵ月もかかる作業を継続することは不可能です。
実際、この問題に突き当たって卒業論文の作成が遅れる学生は毎年出ています。テーマが決まらず試行錯誤しているうちに年が明けて残り1ヵ月を切ってしまったりと、テーマ設定の重要性は推して知るべきと言えます。
ここからは「困ったときのテーマの決め方」を紹介するので、もしよければテーマ決めに使ってみてください!
2つか3つのキーワードを決める
まず、テーマを決めるときは2つか3つのキーワードを作成することをおススメします。と言うのも、1つのキーワードだけでは研究する内容が絞りにくいからです。
例えば、あなたが「年金」についての卒業論文を書きたいとします。
しかし、このままでは何を書けばいいか迷いますよね。若者の負担額が増加している問題なのか、年金だけで生活できない問題なのか、そもそも年金の成り立ちやシステムについてまとめるものなのか、範囲が広すぎてどうすればいいのか分かりません。
そこで、「年金」というキーワードに関係する語句を探し、それを加えるだけで書くべきことが見えてきます。
「年金」「若者」なんてキーワードが揃えば、「若者の年金負担額を軽くするために」などといったテーマが分かりやすくなりますね。
Googleで年金と検索した際に、次いで「種類」「仕組み」「若者」「金額」という検索候補が出てくるので、そちらを参考にしていくと決めやすいでしょう。
学部・就職に関係あるものを選ぶ
大学4年間の集大成なので、大学で学んだことを基に研究を進めるのが一番良いでしょう。経済学部なら経済のことを、文化学部なら歴史や哲学のことを、それぞれ大学で勉強した内容をテーマとするのが最善です。
このメリットは、卒業論文が書きやすくなることです。
原則として卒業論文の評価を行うのはゼミの指導教員で、経済学部のゼミなら経済学を教えている教員となります。もちろん卒業論文を作成する過程で有益なアドバイスをもらうことも出来ますし、何よりこれまで大学で勉強した内容が活かせるため、他のジャンルに比べて格段に研究しやすくなります。
また、就職に関連する内容を書くのもおススメです。卒業後に仕事を始めるときのために、卒業論文を兼ねて業界のことを勉強しておくのも一つの手でしょう。
メリットは、勉強と研究が一緒に出来ることです。
大学生は卒業後に会社で仕事をすることになるので、当然ですが卒業までに仕事のことや会社のことを色々と勉強しなければなりません。社会人研修があるといえど、最低限のマナーや仕事の理解は前もって勉強する必要があります。
しかし卒業論文のテーマを就職に関連したものにすることで、勉強と研究を同時に行うことが出来ます。本来なら面倒くさいだけの卒業論文も、入社後に役に立つ知識と考えればやる気が出てくることでしょう。
時事問題をテーマにする手も
もし上記で見つからなければ、時事問題をテーマにするという手もあります。例えば最近だと「老後2,000万円問題」がインパクトの大きいニュースでした。
メリットは、出回っている情報が少ない分認められやすいことです。
卒業論文の評価は基本的にゼミの担当教員が行うことになりますが、その教員が必ずしも時事問題に精通している訳ではありません。たとえ間違った部分があったとしても、指摘される確率はかなり下がることでしょう。
また、ネットで記事がたくさん投稿されているため研究も簡単になります。
「老後2,000万円問題」も、Googleなどで検索すれば100記事以上はヒットするので、一から研究を行うより格段にやりやすくなります。もちろん丸パクリはダメですが、問題点などを少し拝借するくらいならバレる可能性は低いです。
参考資料がたくさんある分、論文を書くのが苦手な方にもおススメ出来るテーマです。もしあなたがレポートの作成が苦手なら、時事問題で書いてみてはいかがでしょうか?
文字数はどのくらい書けばいいのか
卒業論文の作成を始めた大学生が一番気になることではないでしょうか?
これまで行ってきた授業のレポートでも「3,000字以上」などと字数制限のある課題も多かったので、何文字書けばOKなのか気にしている学生は多いことだと思います。
もし文字数で卒業論文の合否の一端が決まるのならば、是非とも把握しておきたいですよね。提出したはいいけど文字数が足りなくて突き返された、なんてことにならないように、どれくらい書けばいいかは覚えておきましょう。
20,000字が平均ライン
ゼミや大学によっても変わりますが、一般的に20,000字が平均のラインが多いです。なので、とりあえずは20,000文字を目標としてパソコンに向き合うのが良いでしょう。
20,000文字と聞くと非常に苦労しそうな印象を受けますが、キチンと計画を立てて行えば難しくはありません。3ヵ月(90日)で作成する場合は1日200文字程度で済むので、10分程度タイピングするだけで終わってしまいます。
とはいえ、楽観視しすぎるのはやめておきましょう。卒業論文では書くことよりも考えることが大変と言われているので、文字数のみで判断するのは危険でしょう。
「1章に何を書いて、2章にどう繋げるのか」といった文章の構成や、「この制度の問題点はここにあって、解決するためには~する必要がある」という研究など、書く以外にも考える時間が別途必要になります。
章ごとの文字数のテンプレ
ここで気になるのが、「章ごとにどのくらいの文字数を書けばいいのか?」ということではないでしょうか?
ご存知の方も多いでしょうが、卒業論文は1章~5章で作成されるケースが多数です。研究の概要の1章から始まり、まとめの5章で終わります。いくら「全体で20,000字」と言われても、それぞれの章で何文字書けばいいのかが分かりません。
大体の文字数は、次の表を参考にして決めるといいでしょう。
章 | 文字数 |
1章 | 2,000字 |
2章 | 5,000字 |
3章 | 7,000字 |
4章 | 4,000字 |
5章 | 2,000字 |
卒業論文としても中心に位置するのが、2章~4章で、この章に占めるウェイトは非常に多くなります。その中でも研究の基幹を為すのが3章で、その文字数は書いているうちに自然と増えていきます。
もちろん、これ以上増えても全く問題ありません。1章で3,000字になったからと言って書き直す必要はないので、あくまで目安として参考にしてください。
守るべき卒業論文の作法
では、ここから遵守しなければならない作法について解説していきます。
この部分は、毎年苦労する大学生が多く存在します。それまでやってきたレポートの課題とは文字通りレベルが違い、煩雑な仕組みに心を折られる学生も少なくはありません。
「卒論は完成したけど、文章の作法が間違っていたため書き直す羽目になった」という話は珍しくはありません。そうならないためにも、面倒ですが書く前から学んでおくことが重要となります。
表紙の作り方
一番最初に解説をするのが、論文の最初に来る「表紙」の作り方です。
表紙に記載する項目としては、一般的に以下のようなものがあります。
・年度
・卒業論文のタイトル
・ゼミの教員名
・学籍番号
・氏名
ただ、この表紙の作り方は大学によって大きく変わります。
文章を中央揃えにしている大学もあれば、一部を右端揃えにしている大学もあって、一概にこうすれば正解と言うことは出来ません。
こればかりは大学によって違うので、ゼミの先生に助言を求めることをおススメします。恐らくやり直しを食らう羽目になるので、「表紙のテンプレ」などを公開しているサイトは信用しないでください。
大学によってはネットにテンプレートを公開しているところもある(神戸学院大学とか)ので、まずはGoogleで検索を掛けてみるのがいいでしょう。
もしなければ、学内専用ホームページでも探してみましょう。Googleで検索できなくてもそちらに載っている可能性は高いので、探してみることをおススメします。
目次は必ず作ろう
次に卒業論文を作成するうえで一番最初に引っ掛かる「目次」についてです。「概要」とか「アウトライン」などと呼ばれることもありますが、課題レポートで登場しないものであるため、つい入れるのも忘れてしまう学生が多く居ます。
簡単に言うと、卒業論文を分かりやすくするために章と節を記述したものです。
この目次を作らないと、何章でどんなことを研究しているのかが読み手には分かりません。そうならないためにも、論文の最初に「どこでどんなことを書いてるよ」ということを記載しておく必要があります。
ちなみに、この記事にも目次は作られています。
ページの一番上に戻っていただくと、「Contents」という文字の書かれた枠組みが目に入ると思います。そちらが目次と呼ばれるもので、「ユーザーが求めている情報がどこにあるか」ということを分かりやすく伝えるために作っています。
具体的な作り方は「Word 目次 作り方」などを検索すると沢山出てくるので、そちらを参考にしてください。といっても、「参考資料」タブから、左端の「目次」を選ぶだけなので簡単ですよ!
文章のスタイル
次に解説を行うのが、文章のスタイルについてです。
こちらは課題のレポートでも指定される場合が多いため、ご存知の方もいらっしゃるようです。
復習の意味も込めて、軽く見ていただければ問題ありません。
フォント
まずはフォントについてですが、本文は全て「明朝体」で書きましょう。
正式には「明朝体」というフォントはありません。「MS明朝」「游明朝」「HGP明朝」など、「明朝」という文字が付くフォントを総称して明朝体と呼びます。
数種類存在しますが、おススメは可読性に優れている「MS明朝」か、見た目がなんとなくカッコいい「游明朝」の2つです。
とはいえ、Wordのデフォルトのフォントは「MS明朝」か「游明朝」なので(バージョンによって変わります)あまり気にする必要はありません。
ただ、設定でデフォルトのフォントを変えている方は注意が必要です。その場合は「Ctrl+A」で全選択をして一括で変更するか、「ホーム」タブの「フォント」から日本語用のフォントを変更しておきましょう。
本文のサイズ
本文は全て10.5ptで統一します。
こちらもWordのデフォルトで設定されていますが、「読みにくいから」という理由で変更する人が多いので気を付けましょう。
もちろん本文だけなので、表紙のフォントサイズは変えていただいても大丈夫です。卒業論文のタイトルなどは目立つように大きく設定しましょう。
全角半角
基本的に数字は半角で、それ以外は全角です。
書面で数字を見た場合に半角の方が見やすいため、論文では原則として半角が使われています。
例えば「9割」とタイピングしたとして、意外と半角になっていない場合も多くあるので注意しましょう。普段から半角で打ち込んでいる人は心配する必要はありませんが、全角で打っている場合は変換候補が2つ目に設定されていることもあります。
1節、2節などの区切り
1章や2章では、区切りごとに1節、2節などを付けるようにしましょう。節を使わないと非常に文章が長くなってしまうので、ある程度の区切りをつけるために用います。
例えば「1章 はじめに」の中に「1節 論文の背景」「2節 研究の目的」を入れるといいでしょう。
また、正式なルールではありませんが、1つの章の中に最低でも3節は書くようにしましょう。2節までしか書かないと章の内容が薄く感じられるため、3~5節で設定するのが最適です。
参考文献の書き方
ここからは、気になっている方も多い「参考文献の書き方」です。
既にレポート課題などで学んでいる方も多いでしょうが、レポートよりも引用に関するマナーは厳しくなっています。
「引用」と「参考」など、似たようで意味が違う言葉も登場するので、しっかりと理解しておきましょう!
引用と参考の違い
参考文献の中で最も大切なのが、引用と参考の違いについてです。引用と参考のどちらかを使うかは
それぞれの違いは以下の通りになります。
例) 引用:〇〇(2019年)によると、「経済規模は××億円である」と述べている
参考:文献の原文を要約して書き出す
例) 参考:〇〇(2019年)によると、経済規模は✕✕億円となっており~
元の文章そのままを抜き出す場合は「引用」で、元の文章を少し言い換えて書く場合は「参考」となります。
似たような言葉ですが、意味は正反対と言ってもいいくらい違います。その場にあった適切な表現を用いるようにしましょう。
書籍からの引用・参考
注意するべきところは「出版年」と「出版社(者)」ですね。
出版年については初版が発行された年を記入しましょう。2、3刷と重版されている書籍も多いですが、引用には初めて本を発行した年数を記載するのがルールです。
また、「出版社名」は忘れがちな人が多いので気を付けましょう。また、個人で出版されている場合は、著者名=出版者名としても問題ありません。
Webからの引用・参考
注意するべきところは「著者名」「更新年」「参照日」の3つです。
著者名は記事を書いた人を指しますが、あまり知られていない作法なのでつい省いてしまいがちです。サイトのトップページやページ下部に記載されているサイトが多数なので、忘れずに確認しておきましょう。
興味ないですよね!
また、「更新年」と「アクセス日」も書くようにしましょう。更新日はページ上部に書いてある場合が多いですが、サイト運営者が非表示にしているケースもあります。分からないことには書きようもないので、その場合は空欄でも構いません。
オンラインデータベースからの引用・参考
卒業論文を書いていると、案外使うことが多いのが「オンラインデータベース」です。
卒業論文を書いたことのある方なら共感できると思いますが、ネットの記事ごとに内容が違うなんてことは多々あります。例えばとある数値を調べたいと思って検索したとしても、サイトごとに数字がバラバラなんて事態は頻繁に遭遇します。
流石にそんな数字を引用するのは正確性に欠けるので、そうした時に使うのが「オンラインデータベース」です。総務省運営の「e-Stat」や日本銀行運営の「知るぽると」などネットで各種データを公表しているサービスを指し、引用元としては非常に信用できるサイトです。
グラフの作り方
ここからは「グラフはどう作ればいいのか?」という点について解説をします。
文章1つにも作法があるように、グラフの作り方にも遵守すべき作法が存在します。
とはいえ、さほど守るべき項目は多くないので安心してください。大切なのは「図表番号」と「参考文献」の書き方くらいなので、この機会に覚えておきましょう!
図表番号を付ける
図表番号については、グラフの上に左揃えで記入します。図表番号の付け方は主に2つ存在します。
やり方② Wordの「図表番号」機能を利用する
②の図表番号機能については、グラフをクリックした後「参考資料」タブの「図表番号の挿入」をクリックします。そして「位置:選択した項目の上に」「ラベル名:章番号-グラフ番号+グラフの名前」にそれぞれ変えれば出来上がりです。
例えば2章の2つ目に作ったグラフなら、「2-2」という風になりますね。3章の4つ目だと「3-4」という感じです。
やり方はどちらでも構いません。簡単なのはグラフの上の行に直接書くやり方ですが、図表番号機能を使えば管理が簡単になります。「Word苦手で複雑な操作なんて無理……」という方は①のやり方で書くといいでしょう。
参考文献はグラフの下に右揃えで
もう1つグラフに必要なのが参考文献です。参考文献はグラフの下に右揃えで記入します。
しかし、上に書いた参考文献のやり方とは異なるので注意しましょう。グラフの下に置く参考文献は、通常「省略したもの」になります。URLなど正確なものを書いていると非常に長くなってしまうので、ある程度簡略化したものを記載します。
書籍なら「著者名+発行年」、Webなら「サイト名+アクセス日」、データベースなら「データベース名+アクセス日」くらいで大丈夫です。
章立ての仕方
では、最後に章立てのやり方をお伝えします。卒業論文は5章に分かれており、1章は概要を書くなど、それぞれの内容は大まかに決まっています。
意外とここで躓く人も毎年多くいるようです。特に2~4章の違いが分からなくて1章以降に進めない人が沢山いるみたいで、それが原因で留年してしまうケースも少なくはありません。
そうならないためにも、ここで前もって学習しておきましょう!
1章 はじめに
研究の概要を記述するのが、この1章となります。
主に「研究の背景」「研究目的」「研究方法」「研究構成」の4点を記載するケースが多いです。「なぜこの研究を始めたのか?」「どんな目的があるのか?」といったことを論理的に説明するのが1章の仕事となります。
例えばあなたが「若者の年金負担額」について取り上げたいなら、「なぜ研究を始めようと思ったのか?」「研究における目的は何か?」「フィールドワークやインタビューなど、どんな方法で研究をするのか?」「研究結果(卒業論文)はどんな構成か?」という4点を書きましょう。
2章 現状分析
2章で記載すべき内容は「研究内容における現状分析」です。
取り上げるテーマが「若者の年金負担額」ならば、「なぜ若者の年金負担が増加したのか?」→「少子高齢化」「生活水準の変化」などを原因として記載します。
また、負担額が上昇した根拠を示すために「過去と現在における、現役世代の年負負担額の変化」などを書くのも良いでしょう。
あくまで2章は「研究に入る前の準備段階」のような意味合いと捉えてください。「実際にこれからどうしていくべきか?」という研究の部分は3章に記述することになります。
3章 研究内容
3章では、本格的に研究内容に入っていきます。「若者の年金負担額の増加」の原因として「少子高齢化」や「生活水準の変化」が挙げられたのであれば、それをどう解決していくかを研究することとなります。
「少子高齢化を改善するのか」「そもそも年金制度を改革していくべきなのか」など、自分の意見で書きましょう。
また、必然的に文字数の多くなりがちな3章においては、レイアウトにも注意を払うようにしましょう。そもそも読まれないと評価すらもされないので、適度に表やグラフを使用して、文字だらけの論文にならないように心がけることが大切です。
4章 研究の振り替えり
「研究においてどのような気づきが得られたのか」「研究によってどんな有用性が確かめられたか」など、自身が行った研究に対して客観的な視点から評価を行います。
もちろん、プラス面だけではなくマイナス面も記載しましょう。「研究の問題点は何か」「改善点はどんな所か」といった反省も行い、問題の原因を探ることも必要となります。
そして、「また研究をするならどんな点に気を付けなければならないか」という解決策にも触れてこそ、卒業論文を作成する意義が生まれるでしょう。
5章 まとめ
主に3章と4章の内容をまとめることとなります。「研究でどのような内容を明らかにしたのか」「研究においての問題点・改善点は何か」という2点を主に記載していきます。
また、研究に関わってくれた方への謝辞を記載する場合もあります。インタビュー調査やゼミの担当教員など、お世話になった方に対してお礼の言葉を入れると締めくくりとして美しいでしょう。第5章の後に別途項目を設ける場合もあるので、担当の教員に確認をしておくと良いです。
これまで学んだ知識を出し尽くそう
ここまで見ていただき、誠にありがとうございました!
卒業論文という人生において初の試みのさなか、とても苦労されていることだと感じます。
ただ、卒業論文とは大学4年間の勉強の集大成でもあり、これまで歩いてきた道を表すものと言えるでしょう。
行き詰って途方に暮れてしまうこともあるでしょうが、どうか頑張って歩き続けてください。
あなたが卒業論文を完成させるときを、陰ながら応援しています!